楽天やAmazonなどのECサイトを使って誰でもモノを販売できる時代になっています。
ECサイトでの販売は、店舗を持つ必要がにないので個人事業主や小さな企業にとってもチャレンジしやすい業種となっています。
一方でチャレンジしやすい業種だからこそ、勝ち残っていくためにはしっかり利益を出していかなければなりません。
そのためには、しっかりと利益の考え方を理解しておく必要があります。
ネットショップの利益の考え方
ネットショップに限ったことではありませんが物販における利益の考え方として、1個販売することでいくらの利益が残るのかということを確認する必要があります。
基本的には商品を仕入れて販売した場合、販売金額から仕入代金を引いた金額が商品1個当たりの利益となります。
300円で購入したものを1,000円で販売した場合は、1,000円ー300円=700円が商品1個当たりの利益ということです。
「なんだ、簡単じゃないか」と思われるかもしれませんが、ネット販売における利益を考える場合、もう少し深く考えていく必要があります。
ここで必要となるのが変動損益計算書です。
変動損益計算書とは、仕入や経費を売上に連動する変動費と連動しない固定費に分けて、利益を見ていく計算方法です。
変動損益計算書を活用することによって、より正確な商品1個当たりの利益を確認することができます。
ネットショップにおける変動費の考え方
それではネットショップにおける変動費を確認していきましょう。
変動費は売上に連動する費用です。
つまり、売上が増加すると一緒に増える経費を見つけていけばいいということです。
一つ目は送料(発送費)です。
ネットでショップでは、お客様へ商品を発送する費用がかかってきます。
売上が増えれば、送料も増加することが考えられます。
勘定科目で言うと、「荷造運賃」や「運賃」といった科目で経理されているのではないでしょうか。
ヤマト運輸、佐川急便、郵便局などに対する支払いが変動費に該当してきます。
2つ目は販売手数料です。
楽天やAmazonなどのECサイトで商品を販売している場合、販売が成立すると手数料が発生します。
これらの販売手数料も売上に連動していますので、変動費となります。
「支払手数料」や「販売手数料」の勘定科目で経理されているのではないでしょうか。
この2つがネットショップにおける大きな変動費と言えます。
その他にも、クレジット決済手数料、商品保管費用、アフェリエイト広告の成果報酬も変動費に該当してきます。
しかし、あまり細かく確認するとなると経理が煩雑になったりしますので、まずは確認できる範囲から始めるようにしましょう。
ネットショップにおける限界利益の考え方
変動費がわかれば、ネットショップにおける限界利益が確認できるようになります。
限界利益こそが、ネットショップにおける1個当たりの利益を表した数字になります。
先ほどの例で、送料が200円、販売手数料が600円だった場合はどうでしょうか。
1,000円(売上)ー300円(仕入原価)-200円(送料)-600円(販売手数料)=▲100円
なんと、赤字になってしまいました。
これでは、この商品を売れば売れるほど赤字が増えてしまいます。
販売金額を上げるか、原価を下げるか検討しなければなりません。
このようにネットショップにおいては、変動損益計算書を活用して、商品1個の販売でしっかり利益が残せているかどうか確認することが非常に重要になってきます。
この限界利益をベースに広告宣伝費を検討したり、人件費などの固定費を補っていき、最終的に手元に残る利益がいくらなのかということを確認する必要があります。
まとめ
ネットショップにおいては、変動費を確認し商品1個当たりの限界利益をしっかり確認する必要があります。
単なる仕入原価だけで利益率を計算していては、実は商品1個当たりでは儲かっていなかったということも考えられるからです。
変動損益計算書を活用して、限界利益(商品1個当たりの利益)を把握していきましょう。