おはようございます。
茨木市の税理士、三松です。
今回は月次決算についてのお話です。
月次決算はスピードが命だが、時には正確性も必要
月次決算はスピードが重要です。
なぜなら、月次決算は業績管理や経営改善に活用するためのものなので、数ヶ月遅れたデータでは意味がありません。
7月に4月の試算表のデータを社長に見せて、「4月は儲かっていましたね」と報告しても、社長は「それで?」といった感じになるでしょう。
また、5月、6月に業績悪化が起こっていた場合には、4月よりも今、経営は大丈夫なのかといったデータが欲しいはずです。
現状分析して、どういった対策を打つのかということを考えなければならないからです。
ですので、月次決算にはスピードが求められます。
タイムリーなデータで前期との比較や予算との比較を行い、問題があれば早急に対策を考えるからこそ有効に活用できていると言えると思います。
そのため、月次決算の早期化、できれば翌月10日、遅くとも15日前後には前月の試算表が出来上がるくらいにはしたいところです。
月次決算のスピードを上げるためには、請求書や経費精算などの経理に必要な書類の早期回収がポイントになります。
取引先の請求書が遅いなど、月次決算を遅らせる理由があるもについては、大きな金額の差がなければ概算で暫定的な数値を用いて、作成しても問題ないと言われています。
「大きな金額の差がなければ」
これが重要です。
スピードを意識するあまり、金額に大きなが差が出てしまうと意味がありません。
業績管理にも使えませんし、決算の検討や納税予測にも使えなくなってしまいます。
スピードも重要ですが、正確性も時には大事になってくるのかなと思います。
概算棚卸で計算していると、とんでもないことに!
多数の商品アイテムをお持ちのお客様がおられ、なるべく月末在庫を出してほしいとお願いしておりましたが、商品の数が多すぎてそれは難しいということで、概算の原価率で月次決算に取り組んでいました。
しかし、決算が近づいてきて、利益もけっこう出ているので一度棚卸を計算してもらうと、概算の棚卸と実際の棚卸の金額にかなりの差があることが判明しました。
利益が出ていると思っていたのが、ほとんど儲かっていないという事実が判明しました。
原材料等の高騰で、利益率がかなり低下していたのが原因です。
決算対策で経費を使おうと考えていたので、危ないところでした。
このまま、概算の原価率で予測を立てて、決算対策していたら赤字になっていたと思います。
無駄なお金を使わなくて済んでよかったです。
毎月の棚卸をするのはたいへんですが、適正な数字を見るためには検討が必要ですね。
まとめ
月次決算のスピードを高めて、タイムリーな経営判断につなげることは重要だと思います。
ただ、正確性も上げることも重要だと思います。
経営者の方にとって正しいデータに基づく、正しい意志決定ができるように、月次決算のサポートをしていきたいです。