在庫管理とは、いくらで購入した材料、商品をどれだけ持っているのかを常に把握することです。在庫管理をしっかり行うことで、着実に利益を生み出すことにつながります。
在庫管理のメリット
在庫管理というと、「めんどくさい」と思われる経営者の方も多いと思いますが、在庫管理を行うことでメリットもあります。
資金管理が楽になります。
在庫とは、仕入先から購入した材料や商品を製造や販売に備え、倉庫や店頭に並べている状態をいいます。
ここでのポイントは、在庫の購入に「代金を支払っている」ということです。商品の販売代金で在庫を購入することができれば資金繰りの問題は生じませんが、実際は在庫代金支払のほうが先行します。
このため、在庫管理をしっかり行うことによって、過剰在庫をさけ、先行する支払いを少なくすることによって資金繰りがよくなります。
市場の動向が見えてきます。
在庫管理とは、「名称と数量と単価、さらには合計数量・合計金額」を一覧表にして把握することです。一覧表を定期的に見直し、分析を行うことで、一番売れている商品がわかるだけでなく、流行遅れになった商品や、季節による売上の変化、商品ごとの滞留期間など市場動向が見えるようになってきます。
これを次の仕入れに活かすことで、無駄な仕入れがなくなります。
正確な決算書を作ることができます。
返品や廃棄処分などによって在庫は増減するため、実際の在庫と帳簿上の在庫は徐々にズレが出てきます。
これを定期的に突合させる仕組みが棚卸です。
上にも書きましたが、棚卸は面倒な作業です。
しかし、在庫の残高がわかることによって、正確な利益計算を行い、正確な決算書を作ることができます。
正確な決算書は、金融機関や取引先の信用を増すことにつながります。
できれば毎月棚卸の実地をお願いします。
決算期末における棚卸業務はかなりたいへんな作業だとは思います。
しかも、それを毎月するとなると日々の業務もあるのに、さらにたいんへんだということは重々承知しております。
しかし、毎月の正しい利益を見るためには月次棚卸が必要となります。
例えば、「先月は仕入れが多かったので、粗利は赤字でした」といったことはないでしょうか?
これは在庫を加味していないために、正しい期間損益が計算できていません。仕入れたものに利益を上乗せして販売するので、原価割れで販売するなどよっぽどでない限り粗利が赤字になることはありません。
月次決算に月末在庫金額を反映すれば、こうしたことは起こらずに正しい月次損益の把握ができます。
また適正在庫を把握することで、運転資金が安定します。
少しずつ多めに発注をかけていたばかり、在庫が膨らんだため運転資金が増加してしまうことがあります。
毎月棚卸を行うことで、商品ごとの動きが把握でき、適正在庫を維持することで運転資金を安定させることにつながると思います。
何度も言いますが、棚卸はめんどくさい作業だとは思います。
商品数が多い会社にとっては、少しずつでもいいので毎月の棚卸に取り組んでいただければと思います。
そして適正な月次決算を行って、会社の経営に活かしていきましょう(^^)/