試算表や変動損益計算書を作成しても、それを活用しなければ意味がありません。
活用しなければ、会計ソフトはただの入力マシンとしてその価値が低下してしまいますし、宝の持ち腐れとなってしまいます。
しかし、数字に慣れていない社長や苦手意識を持たれている社長は、試算表や変動損益計算書を見ても、どこの数字を確認して活用すればいいのかがわからないといったことがあると思います。
そこで今回は、売上に焦点をあてて、どういう風に試算表や変動損益計算書を見ていけばいいのかをお話したいと思います。
前期の売上高と比べる
試算表や変動損益計算書を見る場合、何かと比べるというのが重要になります。
単月や単年度の数字を見ていても、あまり意味はありません。
もちろん、今月儲かった、今年は儲かっているといった情報は読み取れますが、何かと比較することでさらに詳細な分析ができることになります。
まずは前期の数字と比較してみましょう。
前年と比較した売上高の伸びから企業の成長性がわかります。
単純に売上が伸びていれば企業が成長しているということです。
売上高を細分化することで、詳細な分析に役立てることができます。
売上高は「販売単価 × 販売数量」で算出されます。
売上高を増やすためには次の2つの方法が考えられます。
①顧客数のアップ
②顧客あたりの売上高のアップ
この2つを意識して前年の売上高と比較してみましょう。
売上高が増加していれば、顧客数が増えたのか?、それとも値上げなどにより単価が上がったのか?
逆に売上高が減少していれば、顧客数が減ったのか?、それとも値引きなどで価格が安くなったのか?など原因を分析することが重要です。
要因をつかむためにも、前期の数字と比較することが大切になります。
部門ごとに売上高を比べる
企業が大きくなるにつれ、問題点がどこにあるのかが把握しづらくなります。
そこで有効になるのが、「部門別業績管理」です。
営業所別・商品別・地域別・得意先別などに分けて会計データを把握します。
詳細な部門に分けることで、どこの部門が売上に貢献していて、どこの部門が貢献していないかなど、全体の業績では見えていなかった具体的な課題が浮き彫りになってきます。
そして見えてきた課題に対して、どう対応していくか検討することが重要です。
目標売上と比べる
経営計画として立てた目標売上と比較することも重要な活用方法です。
予算や経営計画を立てても、実績との予実管理を行わなければ意味がありません。
毎月の進捗状況を確認して、思ったとおりに業績が進んでいない場合はその問題点を分析して、スピーディに改善点を検討しましょう。
単位あたりの伸び率と比べる
従業員1人あたりの売上高の伸び率などと全体の伸び率と比較してみましょう。
例えば、前年から従業員が増えた場合は、両比率を比べることで、1人あたりの生産性を維持しつつ成長しているのかをチェックすることができます。
まとめ
試算表では当月の売上がいくらなのかを知ることができます。
そして、それだけで終わらずに、いろんな数字と比較して分析、検討することが大切です。
前年と比較してどうか、目標と比較してどうか、どこの部門が貢献しているかなど、そうすることによっていろいろな気づきを与えてくれます。
このように試算表うあ変動損益計算書をもっと活用して、業績アップにつなげていきましょう(^o^)