賃貸住宅経営における青色申告での節税について

おはようございます。

茨木市の税理士、三松です。

今回は賃貸住宅経営における青色申告での節税についてお話したいと思います。

 

青色申告の特典について

個人事業者の確定申告には白色申告と青色申告があるのはご存じかと思います。

青色申告にはさまざな税制上の優遇措置が認められています。

 

例えば、固定資産における減価償却費の取り扱いです。

賃貸住宅経営で言えば、エアコンやパソコンといった備品を購入した場合に取得価額が10万円を超えれば減価償却資産として数年間に按分して経費に計上することになります。

しかし、青色申告をしていれば、30万円未満の物であれば購入時に一括で経費に計上することができます。

 

また、青色申告であれば不動産の収入が赤字となった場合、その赤字を3年間を繰り越すことができます。

儲かった年の利益からその赤字を差し引くことができますので、その年の利益が少なくなって節税につながります。

 

さらに、青色申告では無条件で利益から10万円の控除をしてもらえます。

青色申告で申告しますよという申請書を税務署に提出するだけでこの特典が受けられちゃいます。

 

 

このように、青色申告にすることで税制上の優遇措置を受けることができます。

もちろん帳簿を記帳しなければならないですが、白色申告でも記帳の義務はありますので同じ記帳をするなら青色申告の方がお得ということになります。

 

賃貸住宅経営が事業的規模の場合はさらに特典があります

青色申告をしている場合、賃貸住宅経営が事業的規模と認められると税制上でさらなる特典を受けることができます。

 

この事業的規模かどうかの判断は基準が設けられていて、5棟10室基準と言われています。

貸家であれば5棟以上を貸し付けていること、アパートやマンションの賃貸であれば10室以上を貸し付けていることが目安となります。

 

事業的規模に該当すると次の特典を活用することができます。

 

青色事業専従者給与の活用

個人事業主の場合、親族に支払う給料は経費として認められていませんが、青色申告で事業的規模の要件を満たす場合には、配偶者やその他の親族へ支払った給料が必要経費として認められるようになります。

 

配偶者や親族に給料を支払うことで所得分散が可能になります。

所得税は累進課税で、所得が大きくなるとその分も負担する税金も多くなっていく仕組みです。

それを親族に分散することで節税につながります。

 

ただし、支払う給料の額によっては税務署から指摘を受けて経費として認められないこともあるので注意が必要です。

つまり、仕事の内容に見合う給料しか支払うことはできないということです。

 

所得を分散して節税したいからという理由で、帳簿付けといった経理業務しかしていない奥様に何百万円も支払うことはできないという事です。

経理業務であれば年間で100万円前後が妥当なところではないでしょうか。

 

業務内容と照らして金額が妥当かどうか、社会通念上と照らして金額が妥当かどうかを考え給料を設定する必要があります。

税務署に指摘を受けないためにも、業務内容を明確にしてそれに見合う給料を支払いましょう。

 

なお、青色専従者給与の適用を受けるためには事前に税務署への届け出が必要となります。

 

青色申告65万円の特別控除を活用する

青色申告では簡易帳簿であっても10万円の特別控除を受けることができます。

さらに、賃貸住宅経営で事業的規模の要件を満たし、帳簿の記帳レベルを上げることで65万円の特別控除を受けることができます。

 

帳簿の記帳レベルを上げるとは、複式簿記で記帳して貸借対照表と損益計算書を作成しなければなりません。

でも、そんなに不安になることではございません。

会計ソフトを使えば、簡単にできるようになっていますのでチャレンジしてみるべきだと思います。

 

10万円控除と比較すると55万円の控除が増えるわけです。

所得税20%と住民税10%が課税されると考えると、55万円×30%=165,000円の節税になります。

帳簿をしっかりつけるだけでこれだけ節税になるのは大きいですよね。

 

令和2年からは複式簿記の記帳をしているだけでは、特別控除は55万円に引き下げられました。

ただし、電子帳簿の保存かe-Taxにより電子申告をしている場合に限り、特別控除額は65万円になります。

電子申告もID・パスワード方式を利用すればけっこう簡単にできますので、ぜひ取り組んでみましょう。

 

青色申告書をするための手続き

こんなにメリットがあるなら「青色申告をやりたい」と思ってもすぐにできるわけではありません。

青色申告をするためには、その適用を受けようとする年の3月15日までに管轄の税務署の「青色申告承認申請書」を提出しなければなりません。

3月15日を過ぎてしまうと、今年も白色申告になりますので提出しようと思われている方は早めの提出を心がけましょう。

 

また新たに事業を開始した場合は、提出期限が変わります。

開業した日が1月1日~1月15日までであれば3月15日。

開業した日が1月16日以降であれば、開業日から2ヶ月以内となっています。

 

まとめ

青色申告であればさまざまな税制上の優遇措置を活用できるので節税に取り組むことができます。

さらに事業的規模であれば、親族に給料を払ったりとさらなる特典があります。

青色申告にして節税に取り組みたいと思われている方は、ぜひご相談いただければと思います。

 

 

 

 

 

 

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