税務調査と聞くと嫌なイメージを抱く方も多いのではないでしょうか。
やましいことが何もなく、適正な経理をしていても社長は不安になってしてしまいます。
やましい経理をしている人にとっては、もっと不安になってしまうことでしょう。
さて、この税務調査の目的はいったい何なのでしょうか?
今回は税務調査の目的について解説したいと思います。
税務調査の目的とは?
税務調査とは、「税の公平確実な賦課徴収のために必要な資料を収集することを目的とする手続き」です。
うーん、少し固くて難しい表現になってしまいました。
もっとやわらかく言うと、納税者が適正な申告をしているか確認することが目的です。
もっと言うと「脱税していませんか?」ということを確認することが目的です。
税法では、課税の公平という言葉がよく使われています。
法律に基づいて公平に課税されているということです。
しかし、いくら法律の上で公平であっても、すべての納税者が適正な申告をするとは限りません。
税金をごまかしたいと思っている人も少なからずいるでしょう。
また、複雑な税金の計算を、納税者が誰一人間違えることなく計算できるとも限りません。
法律の解釈の誤りや計算ミスは誰にでも起こることです。
そこで、税務署が税法に従って適正に申告しているかどうかをチェックする必要があるということです。
申告納税方式だから税務調査が必要になる
法人税や所得税については、申告納税方式が採用されています。
申告納税方式とは、会社や個人の税金を自ら計算して、申告する方法のことです。
申告納税方式であるということは、利益を意図的に操作して、税金を減らすということもできるわけです。
税務調査の目的でも書きましたが、納税者には適正な申告を心がける人ばかりではありません。
誰しも税金は少なくしたいという気持ちがあります。
そういった気持ちが大きくなりすぎると、過度の節税、そして脱税へとつながっていきます。
申告納税方式を採用している以上、納税者の申告を信頼することが前提となりますが、ごまかそうとする人が一定数いる以上はチェック機能が必要となります。
したがって申告納税方式を採用している以上、税務調査が必要になるということです。
税務調査は、あくまで事務手続きです
冒頭にも書きましたが、税務調査と聞くと、ものすごく不安に感じられる方もおられるかもしれません。
税務調査は、犯罪捜査とは違い、納税者の税務申告内容が正しくされているかどうかを確認するための事務手続きです。
あくまでも事務手続きなので、税務職員からの質問に答えて、要求された資料を提出すれば、スムーズに税務調査が進んで行きます。
特に計算誤りや法律の解釈に相違がなければ、特に何もなく税務調査終了となります。
適正申告をしている限り、過度に税務調査を恐れる必要はないということです。
しかし、脱税など、法律に反する処理を意図的に行っていた場合は、厳しい調査となります。
悪いことしている納税者には本当に厳しい調査です。
これでもかってくらい調べられます。
めっちゃ嫌になっちゃいます。
そうならないためにも、日ごろから適正な経理をして、適正申告を心がけましょう。
税務調査の省略につながる書面添付制度
「ちゃんと経理しているの税務調査受けたくないな」、「適正な申告に取り組んでいても税務調査は不安だな」といった社長の思いはあると思います。
そんな、社長の税務調査の不安や受けたくないっとお声に対応するために、当事務所で取り組んでいるのが書面添付制度の実践です。
書面添付とは、税理士が申告書の作成にあたって確認した事項であったり、納税者から受けた相談の内容などを記載した書面のことで、きっちり経理処理ができていることを税務署に対して証明する書類です。
書面添付が付いている申告書については、税務調査の前に税理士に対して意見聴取の場が設けられます。
税理士が税務署に行って、「この申告書はこういう経理処理をしています。」、「この申告書は正しいですよ」といった意見を述べることができます。
税務署からも申告書に疑義がある点を質問され、意見聴取の場で税務署の疑問が解明できれば、
なんと、税務調査が省略なります。
書面添付を実施すれば100%税務調査が省略されるわけではありませんが、あらかじめ税理士から聞き取りを行っているため、税務調査の時間も短縮につながることもあります。
書面添付の虚偽記載には税理士業務の停止など厳しい処分が設けられているため、適正申告を心がけているお客様に対してしか実施することができません。
当事務所では適正申告、適正納税に取り組みたいお客様に対しては、積極的な書面添付の実施を行っています。
そして、少しでも税務調査の不安が解消されればと思います。
書面添付のメリットの詳細についてはコチラ記事をどうぞ。
まとめ
税務調査の目的は、適正申告が行われているかどうかの確認です。
必要以上に恐れることなく対応しましょう。
そのためにも、日々の適正な経理処理を継続していきましょう。