茨木市の税理士、三松です。
今回は変動損益計算書について、事例をみながらお話したいと思います。
利益が生まれる仕組みについて
A社の損益計算書は次の通りだったとします。
売上高 800万円 仕入 400万円 人件費 300万円 賃借料 200万円
利益は̠▲100万円
※人件費と賃借料は固定費とします。
現在は100万円の赤字です。
このままだと、毎月100万円のお金が減っていきます。
この赤字をなくすために、何か対策を打たなければなりません。
どうすれば、いいでしょうか?
対策1 顧客を増やして売上高を100万円増やす。
対策2 アルバイトの人数を減らし、人件費を100万円減らす。
対策1は売上を増やして、限界利益を増加させます。
対策2は固定費の圧縮です。
どちらも、利益を増やそうして行う対策ですが、この2つは結果が異なります。
対策2の方法であれば赤字が消滅します。
しかし、対策1では売上に対する原価率が50%として、50万円の赤字が残ります。
経営分析は変動損益計算書を活用する
対策1の方法で赤字が残るのは、売上を増やせば、そのための商品の仕入れが増えるからです。
売上高 900万円 仕入 450万円 人件費 300万円 賃借料 200万円
利益は▲50万円
売上の原価率が50%の場合、売上が100万円増えても仕入が新たに50万円増えるため、増える利益は50万円となり赤字は解消しません。
売上原価は売上に連動して発生する費用で、これを「変動費」といいます。
一方、人件費は売上の増加に関係なく固定的に発生する費用ですので、その名の通り「固定費」といいます。
対策2では固定費の削減に取り組んでいますので、削減した分がそのまま利益となり赤字の解消につながります。
このように、変動損益計算書を理解することで赤字の解消のために、いくらの売上が必要なのか、もしくは固定費の削減が必要なのかといったことがわかるようになります。
利益を増やすためには?
利益を増やすためには、
売上を上げる、仕入を減らす(限界利益率を高かめる)、固定費を削減する。
この3つの方法しかありません。
この3つを注視するために有効なのが変動損益計算書です。
変動損益計算書は、上記の3つのポイントが一目でわかるようになっています。
利益が出る仕組みを理解して、変動損益計算書を経営の意思決定に役立てていきましょう(^^)/