「年収」と「所得」の違いについて。年末調整には注意が必要です!

 

おはようございます。

茨木市の税理士、三松です。

今回は、年末調整も近づいてきましたので「年収」と「所得」の違いについてお話ししたいと思います。

年末調整でよくある間違い

年末調整で会社に提出する書類で給与所得者の扶養控除等申告書があります。

「配偶者控除の適用があるか」、「扶養親族がいるか」といったことを確認する書類で、該当する方の「本年中の所得の見積額」を記載しなければなりません。

 

この「所得の見積額」について、記載金額を間違って記入されている場合が多く見受けられます。

 

特に多いのが、「所得」ではなく「年収」を記載されている場合です。

 

所得と年収は違うのです!

 

年収とは?

年収とは、社会保険料や源泉所得税を天引きされる前の一年間の総支給額を言います。

別の言葉で言うと「額面」ていうやつです。

 

この額面から社会保険料や源泉所得税を天引きしたものが、「手取り額」と言われるものです。

もちろん、この「手取り額」も所得ではありません。

 

年収は一年間の総収入金額を表していますが、税法上で言われる「所得」ではありません。

年収から一定の計算を加えたものが、「所得」となります。

 

では、「所得」の計算方法について見ていきたいと思います。

 

「所得」の計算方法(年末調整の場合)

まずは今年の年収の見込み額を求めましょう。

年末調整のために扶養控除申告書を提出する場合、12月に支給を受ける給与が確定していません。

1月から11月に支給された給料や賞与の額を合計して、さらに12月の給料の見込み額を加算することで、今年の年収の見込み額を求めることができます。

 

年収の見込み額ですので、ここでも確認する金額は額面です。手取り額ではないことにご注意ください。

 

年収の見込み額を求めたら、次にいよいよ「所得の額」を計算します。

 

年収の見込み額から給与所得控除額を控除した金額が「所得の見積額」になります。

 

具体的には、「配偶者控除等申告書」用紙の裏面の「3 所得の区分」に掲載された「給与所得金額の計算方法」の表に年収の見込み額を当てはめて「所得の見積額」の金額を算出することになります。

↓小さいですけど下の表です。

例えば、年収の見込み額が100万円の場合は

100万円 - 65万円 =35万円 (所得金額)

こんな感じです。

 

所得の金額は、年収から一定の金額を控除すると覚えてもらっていいかもしれません。

 

また、収入が給料だけの場合は、上記のように求めるだけで問題ありませんが、給料以外に生命保険の一時金や家賃収入など、他の収入がある場合は、合算することになりますので、ご注意ください。

 

まとめ

年収と所得は違います。

年末調整の用紙に記載するのは、「所得」ですので間違えないようにしましょう。

 

 

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