ネットショップを経営していく場合においても重要になるのが経理です。
毎月の利益を見ることで、しっかり儲かっているかを確認したり、税金対策を考えることができるからです。
しかし、経理というとハードルが上がって苦手意識を持たれている方も多いかもしれません。
そこで、今回はネットショップの経理の基本でもある売上の経理処理に絞って解説したいと思います。
ECサイトから売上代金が入金される場合
楽天、ヤフー、アマゾンなどのECサイトに出店してネットショップを販売している場合、これらのECサイトから売上代金が入金されます。
販売時に次の仕訳を会計ソフトに入力します。
例 1万円の商品をECサイトで販売した場合
(借方)売掛金 / (貸方)売上 10,000円
注意していただきたいのは、販売時に経理処理するというところです。
会計では、販売したときに収入があったという風に認識をします。
売上代金が入金されているかどうかは関係ありません。
これを会計の言葉で「発生主義」と言います。
言葉は別にして、販売したときに売上を計上するということはしっかり覚えておくようにしましょう。
これを誤ってECサイトからの入金時に売上を計上していては正確な利益を把握することができません。
正確な利益を把握できないということは、実際はもっと儲かっていて、税金が一気に高くなってしまうといったことも考えられます。
ECサイトからの入金時に売上を計上する方が経理処理としては簡単ですが、日ごろから正しい経理処理を行うように心がけましょう。
さて、ではECサイトから売上代金が入金されたらどういう経理処理をするのか気になるところです。
ECサイトから売上代金が入金された場合は、次の仕訳を会計ソフトに入力します。
①(借方)普通預金 / (貸方)売掛金 9,500円
②(借方)支払手数料 / (貸方)売掛金 500円
そもそも「売掛金」という科目は販売代金を受取る権利のことです。
販売した時に売上代金を受取る権利が発生して、売上代金が入金されてその権利が消滅したという経理処理の流れになります。
それが①の仕訳で、「普通預金に売上代金が入金されましたよ」という事を経理しています。
そして②の仕訳も必要になります。
ECサイトから売上代金が入金される場合、ECサイトに係る手数料や広告費が差し引かれて入金されるはずです。
例で言うと10,000円で商品を販売して、ECサイトから入金されたのが9,500円なので、売掛金(売上代金を受取る権利)が500円残ってしまいます。
差額の500円を消し込むために、その差し引かれた金額を、支払手数料や広告宣伝費といった科目で経理処理することになります。
この一連の流れが、ECサイトから売上代金が入金される場合の経理処理です。
代引きで配送会社から売上代金が入金される場合
代引きで販売して、ヤマト運輸や佐川急便などの配送会社から売上代金が入金される場合も基本的には経理処理の流れは同じです。
まず販売時に次の仕訳を会計ソフトに入力します。
例 1万円の商品を代引きで販売した場合
(借方)売掛金 / (貸方)売上 10,000円
そして、配送会社から売上代金が入金された場合に、次の仕訳を会計ソフトに入力します。
①(借方)普通預金 / (貸方)売掛金 9,500円
②(借方)支払手数料 / (貸方)売掛金 500円
配送会社から売上代金が入金される場合、代引き手数料などが差し引かれて入金されますので、その差し引かれた金額を支払手数料の科目で経理処理します。
基本的な流れは、ECサイトで販売した場合の経理処理と変わりません。
銀行振込で先に売上代金を入金してもらう場合
自社のサイトで販売している場合、売上代金を先にもらってから商品を発送するといったパターンがあるかと思います。
商品代金を先にもらうことは、万が一お客様が売上代金を支払ってくれないといった損失の回避になりますし、資金繰りを考えた上でもいい方法です。
商売の鉄則は、売上代金は早くもらって、仕入代金は遅く支払うです。
(なかなか難しいですが、これで資金繰りが楽になります)
話はそれましたが、まずは売上代金を先にもらったときの経理処理を見ていきましょう。
次の仕訳を会計ソフトに入力します。
例 1万円の商品代金が先に入金された場合
(借方)普通預金 /(貸方)前受金 10,000円
売上代金が入金されましたが、まだ商品を販売していませんので「売上」ではなく「前受金」となります。
この時点では、商品が販売されていないため収入を認識しません。
そして、商品を発送した時点で次の仕訳を会計ソフトに入力します。
(借方)前受金 /(貸方)売上 10,000円
前受金を売上(収入)に振り替えるという経理処理をするわけです。
銀行振込で先に売上代金をもらう場合は、少し経理処理の流れが変わります。
まとめ
ネットショップにおける売上の基本的な経理処理の流れをまとめてみました。
最初にも言いましたが、経営していくうえで正確な利益を把握することは重要です。
この流れを参考にしながら、経理を頑張っていただければ幸いです。