起業して経営者になると「決算書は読めるようになった方がいい」といったことを聞かれたことがあるのではないでしょうか。
中小企業の社長や個人事業主さんの中には、「決算書なんて税金を計算するためのも」や「決算書は銀行からお金を借りるために作るもの」といったイメージがあり、本業を頑張って売上さえ上げていれば、決算書なんて読めなくても大丈夫と思われている方も多いかもしれません。
でも、経営者にとっては決算書を読めた方が絶対に良いです。
成功している経営者は数字に強く、決算書を読んでいます。
今回は、決算書を読むメリットのついてお話したいと思います。
決算書は経営者の感覚と実績のズレを解消するツール!
経営者の頭の中には、ある程度これぐらい儲かっているだろうなという感覚があるはずです。
起業して順調に売上が伸びて、この売上で、これぐらいの経費を使っていればこれぐらいの利益が残るだろうといった感じです。
儲けるために、経営者は頭のなかで計算しているのです。
事業規模が小さければ、経営者の感覚もある程度は正確なのですが、順調に会社が成長して事業規模が大きくなっていくと少しずつ経営者の頭の中の数字と実際の数字とのズレがでてきます。
「順調に売上が伸びているのにあまり儲かっていないな」とか、「儲かっているはずなのに、資金繰りが苦しいな」といった感覚になってくるのです。
そのままズレたまま経営を続けていると、どうなるでしょうか?
「儲かっていると思っていたのに、赤字になっていた」といったことが実際の現場では起きています。
こういった経営者の頭の中の数字と実際のズレを解消する役割を持っているのが決算書です。
決算書を読むことで、そのズレを把握し、数字を分析して、実際の数字を経営者の頭の中の数字に近づけていくことができるのです。
つまり決算書を読むことで、業績を改善してさらに良くすることができるというわけです。
これが決算書を読むメリットです。
決算書は経営者の成績表
決算書は経営者の成績表です。
経営者の頭の感覚と決算書がどちらが正しいかというと、当然「決算書」です。
小学生や中学生の時に「今回のテスト90点は取れたわー」と思っていても、実際テストが返却されて75点だったら75点があなたの成績になるわけです。
経営も同じです。
経営者の感覚で黒字になると思っていても、決算書が赤字であれば、実績は赤字ということになります。
成績が悪かったら嫌ですよね。
怒られることはないかもしれませんが、経営者としては赤字より黒字の方がいいですし、もっと儲けたいという気持ちもあるでしょう。
そこでこの成績表を良くするためには、どうすればいいのか考える時に決算書を読むことが必要になるわけです。
決算書はデータの宝庫です。
決算書を読むことで、さまざまなデータを分析して経営に活用することができるのです。
決算書を読めるようになって、数字で語れるようになりましょう!
銀行に自社の業績を説明する場合、次のどちらがいいでしょうか?
「売上がめっちゃ増えてて儲かってるねん。経費も抑え気味やから、今年は黒字になると思うよ。」
「売上が前年比150%増加して、仕入単価を抑えたことにより粗利益率が2%改善しました。経費も5%減少を目標に削減しているので今年は100万円の黒字になると思います。」
だんぜん後者です。
前者の説明では、社長の感覚の域を拭えず、銀行さんからすると「ほんまに儲かるの?」と思われるかもしれません。
後者のように数字を使って説明することで、説得力が増す感じがしますよね。
決算書を読めるようになると、銀行に対しても数字を使った根拠ある説明ができるようになり、融資に対して有利に働くことは間違いありません。
「この社長しっかりしているな」、「しっかり数字を把握している会社だな」と銀行からもイメージが良くなるはずです。
決算書を読めるようになることで、数字で語れるようになることもメリットです。
まとめ
数字に苦手な社長に少しでも決算書を読むきっかけになってほしくて、決算書を読むメリットを挙げてみました。
いきなり決算書を読もうとしても難しいと思いますので、まずは顧問税理士に聞きまくってわかりやすく教えてもらうようにしましょう。
決算書を読めるようになって数字を経営に活かして事業をもっと成長させていきましょう。