おはようございます。
茨木市の税理士、三松です。
今回はもうすぐ始まる消費税増税に関連する「価格設定」のお話です。
消費税の増税に備えて、価格設定を見直してみましょう!
今年の10月1日から、消費税率が10%に引き上げられます。
消費税率が上がった分をしっかり価格に転嫁しないと、お店の利益が減少してしまいます。
増税前の消費税8%では500円の粗利益が取れていたとします。
売上額(税込) | 1,620円 |
売上額(税抜) | 1,500円 |
仕入額(税抜) | 1,000円 |
粗利益額 | 500円 |
消費税が10%になっても税込価格を1,620円で据え置いた場合の利益はどうなるでしょうか?
売上額(税込) | 1,620円 |
売上額(税抜) | 1,473円 |
仕入額(税抜) | 1,000円 |
粗利益額 | 473円 |
粗利益額が473円と27円の利益が減少してしまいました。
適正な価格転嫁できていないために、消費税増税分を会社が負担することになってしまい利益を圧迫してしまっています。
この例では27円の減少ですが、年間で考えれば大きな利益の減少となり経営の圧迫につながりかねません。
また1個当たりの単価が高い商品を取り扱っている場合など、さらに利益の減少額が大きくなってしまいます。
経営を圧迫しないように、適正に価格転嫁を行いましょう。
事業全体として利益を確保する!
適正な価格転嫁をしなければならないというのは理解できるが、消費税の増税で税込価格が上がることによってお客様は「値段が上がった」と認識され、購買意欲が減退して、売上自体が落ち込んでしまうのではないかといった不安もあるかもしれません。
そのような不安を取り除くために、事業全体で利益を確保する仕組み作りを考えてみましょう。
例えば、商品ごとに値段を考えてみるなど、次のようなことが挙げられます。
・定期的に売れている商品は、しっかりと増税分を価格転嫁する。
・人気商品は集客のために、販売価格を据え置く。
・減収分を確保するため、一部の商品を値上げする。
・新商品を開発する。
人気商品の販売価格の据え置きで生じた利益の減少分を一部商品の値上げや新商品の価格設定でカバーします。
いかにしてお客様の増税への負担感をなくせるかが勝負です。
消費税の増税を機に、商品の価格の見直しや新商品開発を考えてみましょう。
まとめ
消費税増税による利益の減少は避けたい問題です。
価格変更の時期を考えて、増税前に商品の価格を見直すのもいいのではないでしょうか。
値決めは経営と言われるように、自社の商品の価格をしっかり考え、お客様に満足いただける価格でありながら利益が出る価格を決めましょう!