会社が成長するためには経営計画を立てると良いと言われています。
何事でもそうですが、やみくもに取り組むより目標を立ててその目標に向かって行動を起こしていくことが重要だからです。
また経営計画を立てることで目標に対する自社の現在位置がわかるようになることもメリットだと思います。
ただ、いきなり経営計画を立てましょうといわれてもどうしていいかわからない経営者もおられるかもしれません。
そんな方のために、今回は必要利益から考える経営計画の立て方について解説いたします。
必要利益とは?
必要利益とは決算が終わって1年間で会社のお金が増減しない(±0円)必要最低限の利益のことを言います。
会社を継続していくためには当然のことながら利益を出さなければいけません。
また利益を出せば法人税も支払わなければなりません。
会社に借金があれば利益から返済しなければなりません。
税金や借入金を返済して会社のお金の収支がトントンになる利益が必要利益になります。
会社を継続していくためには最低限この必要利益を出していかなければなりません。
必要利益を出せないとなると会社のお金はどんどん減っていくことになるからです。
まずはこの必要利益を求めてそれを達成するための経営計画を立てるようにしましょう。
必要利益の求め方
では、必要利益の求め方についてみていきたいと思います。
借金がある会社を前提とします。
まずは年間の借入金の返済額を確認します。
年間の借入金の返済額が1,200万円だとします。
借入金は会社の利益から返済しないといけないので、最低でも1,200万円の利益が必要ということがわかります。
さらにこの1,200万円の利益には法人税がかかってきます。
法人税が約30%として計算すると、1,200万円×30%で360万円の法人税を支払わなければなりません。
ということは1,200万円の利益から360万円の法人税を払うと実際会社に残る利益は840万円になってしまいます。
これでは1,200万円の借入金を返済すると会社のお金は減ってしまうことになります(840万円ー1,200万円=△360万円)
ですので、必要利益を求める時は支払う法人税も加味して考える必要があります。
今回の例で考えると法人税を支払ったあとに1,200万円が残ればいいので次の計算式で必要利益を求めます。
1,200万円÷70% =1,714万円 これが必要利益になります。
1,714万円×30%=514万円の法人税を払っても、1,714万円ー514万円=1,200万円ときっちり借入金を返済できますね。
必要利益から経営計画がスタート
必要利益がわかれば、そこからが経営計画のスタートです。
必要利益に固定費をプラスすれば必要な限界利益(粗利益)が計算できます。
その限界利益を限界利益率で割り戻せば、必要利益を達成するための売上高がわかるという流れです。
固定費や限界利益率については前年と同じ条件でまずは計算してみるといいと思います。
当期の見込として固定費の増減や限界利益率の変動がわかるようであれば、その数字を使って目標売上高を求めていきましょう。
目標売上高がわかれば、その数字を達成できるかどうかです。
必要利益は最低限達成しなければいけない利益のため変更することはできません。
目標売上高を達成するためにどうするのか、どうしても達成が厳しい場合には限界利益率を上げるのか固定費を減らすのかといったことを考えながら経営計画を作成していきましょう。
まとめ
必要利益の求め方についてご理解いただけたでしょうか。
必要利益を達成するためにどれだけの売上高がいるのか、その売上高を達成するためにどう行動するかを考えることで経営計画がさらに活きたものなることは間違いありません。
経営計画を立てて目標に向かって事業を発展させていきましょう!
P.S トラキチ税理士の独り言
ウルトラの夏甲子園6連戦を見事4勝1敗1分けで勝ち越してくれました。
特に首位攻防となった広島戦では2勝1分けで首位をキープ。
森下がうまく3番にはまってますね。
この調子で8月のロードを乗りきって楽しみな勝負の9月にしてくれることを願います。