経営計画書の作り方

経営計画書は会社の進むべき方向を数字に落とし込んだものです。

経営計画書はいわゆる会社の道しるべとなります。

なぜなら、経営計画書を作ることで、現在の業績が良いのか悪いのか、やり方は間違っていないのかといったことがわかるからです。

中小企業ではなかなか経営計画書まで作成して経営を行っていないかもしれませんが、ぜひとも作っていただきたいです。

今回は経営計画書を作ってみたいけど作り方がわからないといった経営者のために、経営計画書の作り方についてざっくり解説いたします。

目標利益を決めましょう!

経営計画を作成する場合、2つのパターンがあります。

 

1つめは目標売上を決定して、最終的な利益に落とし込んでいくパターンです。

もう一つは目標利益を決定してそこから経費を積み重ねて最終的な売上を決定するパターンです。

 

どちらのパターンで作成しても間違いではないですが、私は後者をおすすめしています。

つまり最初に目標利益を決定するということです。

 

経営の最大目標は利益を出すことです。

1億円、10億円と売上を伸ばしたとしても利益が残らなければ意味がありません。

ですので、まずは目標利益を決定していただきたいと思っています。

 

では、どうやって目標利益を決めたらいいのでしょうか?

まずは、会社の必要利益を確認していきましょう。

 

必要利益とは、経営を維持し継続していくために最低限獲得していかなければならない利益のことです。

 

会社を継続していくためには、社長が役員報酬を取って、従業員に給料を払って、店舗を借りていたら家賃を払ったりといった固定費を賄える利益が必要になります。

そして、借入金があればその返済に充てる資金も必要利益に含めなければなりません。

なぜなら、借入金は利益を出してそこから返済しなければならないからです。

このようにして、会社を継続していくために必要最低限の必要利益を決定します。

 

そして、必要利益に将来の発展に向けた利益の額(社長が会社に残したいお金)をプラスした金額が会社の目標利益になります。

 

会社を発展させるためには、獲得した利益をいかに活用していくかです。

もちろん将来の業績不振に備えたリスク対策としての利益も必要になるかと思います。

そういった将来のための利益を含めて会社の目標利益とします。

 

売上、限界利益、固定費を検討しましょう!

会社の目標利益が決まれば、それに向けた目標売上を検討していきます。

 

目標売上を決める場合、前年比200%とか今年は少し落ちそうだから前年比95%といったように前年の売上高ベースに決めると決定しやすいかもしれません。

 

もちろん、「今年は3億円を目指す」といったように、具体的な数字を目標に掲げてもかまいません。

 

目標売上が決まれば、次に限界利益(粗利)です。

こちらについては、限界利益率を目標数字として設定し金額を算出するようにしましょう。

「去年より限界利益率を1%改善して31%にするぞ」いった感じで利益率を決定し、限界利益を決定します。

 

限界利益率を高めることは、高付加価値の商品やサービスを提供できているということです。

商品やサービスの価値を高めて、限界利益率を高められるのか、原材料の高騰といった外部要因により限界利益率が下がるのかなどといったことを検討して、限界利益の目標数字を決定していきましょう。

 

そして、最後に固定費です。

固定費の大きな科目としては、人件費です。

役員報酬はどうするのか?、従業員の給料や賞与はアップするのかなどを検討しながら人件費の計画を立てていきましょう。

その他の固定費については、設備投資や大規模修繕など大きな支出が見込まれていないのであれば、前年と同じ金額で計画を立てていきましょう。

 

このように、売上、限界利益、固定費と戦略を練りながら計画を立てていきましょう。

 

目標利益を達成できているか確認しましょう!

売上、限界利益、固定費と経営計画書を作成してみていかがでしょうか?

 

作成した経営計画書は目標利益をしっかり達成しているでしょうか。

目標利益を達成していれば問題なしです。

それを当期の経営計画として、目標利益を達成するためにどういう行動を実践していくのかを考えて、目標利益達成に向けて頑張っていきましょう。

 

しかし、問題は作成した経営計画書で目標利益が出ていない場合です。

目標利益が出ていない場合は、計画の見直しが必要になります。

ここで重要になるのは、社長がしっかりともう一度考えるということです。

 

もっと売上を上げられないのか?

売上が難しいなら限界利益を改善できないのか?

固定費をもっと下げることができないなか?

 

このように、どうすれば目標利益を達成できるのかを考えていくことで、社長の思いがつまった生きた経営計画になっていきます。

そういう意味では、すんなり目標利益が達成できない方が経営計画を立てるうえではいいのかもしれません。

 

目標利益は変えずに、目標利益を達成するための戦略をしっかり考えていくことが大切です。

 

まとめ

ざっくりですけど、経営計画の作り方について解説いたしました。

経営計画を作ることも大事ですが、作った後はもっと大事です。

経営計画が絵に描いた餅にならないように、しっかり実績と対比していくことが重要です。

当事務所では、経営計画の作成から毎月の訪問時の計画と実績の差異を検討するといったPDCAサイクルを回すサポートをしております。

しっかりとした数字に基づいた経営をしたいと思われている方は、お気軽にご相談ください。

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