おはようございます。
大阪の税理士、三松です。
今回は、財務会計と管理会計の違いについてお話したいと思います。
財務会計とは?
財務会計とは、取引を仕訳し、総勘定元帳に記入し、試算表を作成する一連の簿記手続きにより、決算書の作成に至る会計のことです。
財務会計において作成する損益計算書は、企業の経営成績を明らかにし、株主や金融機関、税務署など外部への公表を目的としています。
今月の経営成績を試算表によって金融機関に報告したり、今期の経営成績を決算書によって、株主や税務署に報告します。
このため、財務会計は「報告会計」なんて呼ばれ方をしたりします。
管理会計とは?
管理会計とは、企業内部の経営者や管理者のための会計で、その目的は経営管理に役立てることにあります。
管理会計では変動損益計算書を作成します。
変動損益計算書とは、すべての費用を売上の増減に比例して発生する変動費と、売上高の増減とは関係なく発生する固定費に分けて表示した損益計算書のことをいいます。
管理会計では、経営計画を立てて、変動損益計算書を活用して、事業ごとの採算性や投資の経済性を判断するなど、経営管理に役立つ会計であると言えます。
経営に役立てるのは管理会計!
財務会計は、経営成績の報告といった過去に重きを置いているのに対し、管理会計は、事業の将来の判断といった未来に重きを置いています。
こういったことから、財務会計を過去会計、管理会計を未来会計という風に呼ばれたりしています。
ではなぜ、財務会計の損益計算書は経営に活かすことができないのでしょうか?
財務会計で作成する損益計算書では、例えば製造業であれば、製造部門の人件費などの固定費が製造原価に含まれてしまっているため、売上総利益が売上高に単純に比例しません。
製品を100個追加で売った場合、どれくらいの利益が見込めるかといったことが即座に数字として見えないことになります。
その点、変動損益計算書では売上高の増減に伴う利益の増減を即座につかめるため、経営者の意思決定に活用できます。
製品を100個追加で売った場合にどれくらいの利益が見込めるかとか、あと何個売れば、赤字が解消できるかといったことが、管理会計ではわかります。
そういったことから、経営者が経営に活用するためには管理会計による変動損益計算書のデータが必要となります。
まとめ
決算書など、金融機関や税務署に報告するための財務会計はもちろん重要です。
しかし、経営管理に活かすためには管理会計に取り組まなければなりません。
管理会計による変動損益計算書のデータを経営に活かしていきましょう(^^)/