月次決算を行って試算表を見れば、当月の売上や利益がわかります。
しかし試算表は単月の数字を確認するのには適していますが、異常値を感じ取るのはなかなか難しいです。
そこで活用していただきたいのが推移表(月次推移表)です。
今回は「経営に役立つ推移表の見方」ついてざっくり解説いたします。
推移表とは?
推移表とはその名の通り勘定科目の推移(金額の動き)を確認することができる表のことです。
月次推移表であれば、毎月の売上高や経費、利益の動きが一覧で見ることができます。
こんな感じ
会計ソフトを活用していれば簡単に出力できます。
当月の金額ではなく一連の流れで数字を確認するのに便利な表が推移表になります。
決算時には決算推移表として、各決算ごとの推移を並べて確認することもできたりします。
数字を並べて比較するから気づきやすい
推移表のメリットは数字を並べて見れるところです。
月次の試算表だとどうしても当月の数字だけに着目してしまいがちです。
しかし、経営において数字を見るのに大切なことはやはり比較です。
単月では見えていなかったことが数字を並べて見ることで気づきを与えてくれるのです。
例で見てみましょう。
次の表は水道光熱費の金額の推移を推移表でピックアップしてみました。
勘定科目 | 4月 | 5月 | 6月 | 7月 | 8月 | 9月 |
水道光熱費 | 120,000 | 110,000 | 120,000 | 250,000 | 110,000 | 120,000 |
この推移表を見てどう感じるでしょうか?
「あれ?7月の水道光熱費めっちゃ高いやん」
このように思われたのではないでしょうか。
このように毎月の数字を並べて比較することで、単月の数字だけでは見えていなかったものに気づくことができるのです。
異常値に気づくことができれば、あとは原因の確認です。
仕訳の入力間違い程度なら問題ないですが、もしかしたら水道が漏れていて料金が上がっていたとか、ムダ電気の使用で急激に上がっていたなんてことも考えられます。
早めに気づければ、ムダな経費を使わなくてすみます。
推移表は異常値の発見に役立つ
推移表は異常値の発見に役立ちます。
先ほどの例でみていただいたように、特に固定費などある程度毎月の支出が決まっているものについては、月次推移表を活用して毎月の数字を並べてみることとで、異常な取引があるとすぐにわかります。
もちろん、固定費だけでなく、売上や仕入、利益率なんかも月次推移表で確認すると気づけることがあるはずです。
売上が少ない月があるけど、請求が漏れていないか。
仕入が増えているけど、原因は何か。
利益率が大きく変動しているけど何かあったか。
このように、数字を比較することで異常値に気づくことができ、そこから原因を追究することで、経営をより良い方向に導くことができます。
これが経営に役立つ推移表の見方であり、会計を活用した経営です。
まとめ
推移表の見方と活用方法をざっくり解説いたしました。
毎月の数字を並べてみることで、経営における気付きを与えてくれます。
推移表を経営に活用して、数字を見る大切さと、会計を経営に活用するメリットを実感していただきたいです。