修繕費として経費にする判断方法!

建物や機械を事業で使っていると消耗していくため継続的に使用していくためには修理や改良が必要になります。

この修理代を支出したときに注意したいのが一括で経費で落とせない場合があるのです。

資本的支出といって資産計上されるので、減価償却費の分だけが経費で落ちることになってしまいます。

せっかく節税のために大きな支出をしたのに節税効果が薄まってしまいます。

そうならないために今回は修繕費で経費にするための判断のポイントを解説いたします。

修繕費で経費にするためのポイント

修繕費とは、会社の建物や工場の外壁塗装、機械や車両のメンテナンスなど、保有する固定資産の通常の維持管理と現状回復にかかる支出のことを言います。

 

ポイントは通常の維持管理と現状回復のための支出というところです。

 

壊れた部分を修理する、老朽化した部分を修理して元に戻すなど単なる修理であれば修繕費として経費で落とせるということです。

・事業所や店舗の修理費用

・電気、空調、給水設備等の修理費用

・車の修理費用

・オイルやタイヤの交換費用

・機械の保守点検費用

 

資本的支出のポイント

修繕費と思って支出した場合でも資本的支出として資産計上しなければならない場合があります。

資産計上になると減価償却として数年に分けて経費化されるので、支出した年の節税効果が薄まってしまいます。

 

資本的支出と判断されるポイントは、資産の価値が増加したり耐用年数が延長されるのような修理、改良がされた場合です。

 

修理することによって資産がパワーアップしてしまうと修繕費として認められなくなるということです。

・建物の耐震補強や防水加工

・避難階段の取り付け

・新たな機能の追加

・用途変更するために行う模様替えや改装等

・機械の部品を品質や性能の高いもに交換した場合など

 

なお、固定資産の修理・改良にかかった支出を修繕費として費用計上できる判断について次のような基準が設けられています。

・1回の支出が20万円未満

・おおむね3年以内の周期の修理・改良

・修繕費か資本的支出かが明らかでない場合に金額が60万円未満など

 

このように修繕費と資本的支出の判断は非常に難しいので専門家に相談することをおすすめします。

 

修繕費の判断は慎重に!

修繕費か資本的支出かの判断は実質によって判断します。

見積書や請求書に「修繕費」や「修理代」と記載があったとしても、実質が資本的支出に該当するものであればそれは資本的支出として判断されます。

 

ですので、むしろ請求書は修理や改良の内容を詳細に記載してもらう方が修繕費として処理がしやすくなります。

 

また修理や改良を行うときは、本当に修繕費として計上できるのか事前によく検討を行うようにしましょう。

特に節税のために支出する場合は資本的支出と判断されると節税効果が薄まってしまいます。

 

なお、税務調査では実際に修理を行ったかどうか該当箇所を確認することがあります。

修理した箇所の作業前後の写真や、修理内容がわかる資料を保存するようにしておきましょう。

 

まとめ

修繕費と資本的支出の判断は非常に難しいです。

行った修理内容をしっかり確認し、修繕費となる場合は証拠資料もしっかり残すようにしましょう。

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