おはようございます。
大阪の税理士、三松です。
今回は「小規模企業共済」についてのお話です。
個人事業主の節税には小規模企業共済を活用しましょう!
小規模企業経共済とは、個人事業主や小規模企業の経営者や役員のための退職金制度です。
廃業や引退に備えて毎月資金の積み立てを行う制度です。
事業活動をやめた後の小規模事業者の生活の安定を容易にすることを目的としています。
個人事業主の場合、退職金をあらかじめ積み立てて準備しておくことは難しいと思います。
でも、事業をリタイアした後の生活を考えると不安になるといったこともあります。
そんな個人事業主のお悩みを解決するのが「小規模企業共済」です。
掛け金は全額所得控除(節税)になり、共済金を受取る時は退職金としてほとんど税金はかかりません。
このことから、小規模企業共済は節税効果が非常に高いです。
70歳で2,000万円の積み立てを目指すことも可能!
最近、話題になっていた老後の必要資金といわれる2,000万円を準備することも可能です。
30歳加入。月額5,000円で無理なく積立てし70歳で2,000万円の共済金を受け取るプラン
まず30歳の時に掛け金月額5,000円で加入します。
35歳から5年おきに掛け金月額を10,000円増額していきます。
これを70歳まで継続します。
そうすると掛け金合計額が1,711万円となり、
受取金額は共済金Aで2,016万円、共済金Bで1,959万円となります。
2,000万円の資金できちゃいました。
さらに節税効果もあるので、実質的なメリットはもっとあります。
受取る共済金は退職所得控除額が2,200万円あるので、税金はかからないことになります。
49歳加入。月額70,000円で2,000万円の共済金を70歳で受け取るプラン
年齢が若くないと2,000万円も貯まらないんじゃないかと思われ方。
そんなことはありません。
49歳で加入しても、掛け金月額70,000円で70歳まで継続します。
そうすると掛け金合計額が1,764万円となり、
受取金額は共済金Aで2,063万円、共済金Bで1,964万円となります。
掛け金の納付期間が21年と30歳での加入のときより短いので退職所得控除が870万円と少なくなるので、受取る共済金には税金はかかることこになります。
それでも、節税効果と合わせれば、2,000万円近くの資金を準備することができます。
個人事業主や小規模企業の経営者や役員の方は、小規模企業共済を活用する手はありません。
※数字については中小機構公式サイトの小規模企業共済加入シミュレーションで試算した概算です。節税効果は所得金額によって変わりますのでご注意ください。
加入資格を確認しましょう!
「小規模企業共済いいやん」と思われ方も、加入資格を満たしていないと契約が成立しないケースもあります。
加入資格を確認してみましょう。
常時使用する従業員数は加入資格要件の範囲内でありますか?
加入できる企業は、製造業、建設業、運輸業なら常時使用する従業員が20名以下、卸売や小売、サービス業なら従業員は5名以下となっています。
なお、常時使用する従業員には、役員、パート、アルバイト、家族従業員、共同経営者は除かれます。
給与所得を得ていませんか?
給与所得を得ながらアパート経営や太陽光発電などを行っている場合など、法人または個人事業主と常時雇用関係にある方は加入することができません。
個人の不動産賃貸業者の場合、事業的規模がありますか?
個人事業主の方が不動産賃貸業で加入する場合は、賃貸物件に事業的規模または青色申告特別控除(65万円)を行っていることが必要となります。
公益法人(医療法人や社会福祉法人等)の役員ではありませんか?
協同組合や医療法人、学校法人、宗教法人、社会福祉法人、社団法人、財団法人、NPO法人などの直接営利を目的としない法人の役員は加入することができません。
加入資格のない他の会社の役員等を兼任していませんか?
小規模事業者としての事業を行っている一方で加入資格のない会社の役員に就任している場合は加入できません。
複数の会社の役員になっている場合は、そのすべての会社で加入資格を満たしている必要があります。
小規模企業共済の既加入者ではありませんか?
既に小規模企業共済に加入している契約者の重複加入はできません。
加入資格をしっかり確認して疑問に思ったら、代理店に確認しましょう。
まとめ
小規模企業共済は非常にメリットが高いです。
今年は儲かっていて何か節税したいと思われている個人事業主の方は、ぜひ検討をおすすめします。
今年の所得控除を受けるためには、10月中に契約が必要な場合もあります。
興味を持たれた方は税理士さんや代理店(銀行や商工会議所)に相談してみましょう(^^)/