変動損益計算書の活用方法ー労働分配率を見る!

  • 2018年12月28日
  • 2020年6月15日
  • 会計

従業員さんがおられる会社では、労働分配率を意識した経営をされているでしょうか?

 

労働分配率とは、会社が稼ぎ出した限界利益のうち、何%を人件費に費やしているかを示す指標です。

計算式で表すと「人件費 ÷ 限界利益」となります。

 

同じ給与を支払っている会社でも、限界利益をたくさん稼ぎ出している会社ほど、労働分配率は低くなります。

逆に、限界利益が少ない会社ほど、労働分配率は高くなります。

以下の視点から労働分配率を確認してみましょう!

 

前年の労働分配率と比べる

もう毎回のお馴染みですけど、労働分配率も前年と比べてみます。

労働分配率が去年と比較して上がっているのか、下がっているのかを確認します。

 

労働分配率が前年と比べて変化した場合は、次のようなことが考えられます。

労働分配率が上がっている場合は「人件費の増加」または「限界利益の減少」が考えられます。

労働分配率が下がった場合は、「人件費の減少」または「限界利益の増加」が考えられます。

 

労働分配率の変化の原因が何なのか、しっかりと確認しましょう。

 

他の会社の労働分配率と比べる

労働分配率を「同業種・同規模」の他社平均と比較することで、自社の人件費の水準が適正化どうかわかります。

 

インターネットで調べれば、業種ごとのおおまかな労働分配率を把握することができます。

同業他社の労働分配率と比較して、労働分配率が高ければ、人件費が高いのか、それとも限界利益を稼げていないのかを確認してみましょう。

 

労働分配率を抑えて1人当たりの人件費を上げるには?

労働分配率は人員増や昇給等により上昇します。

 

人件費は社会的な相場に基づいて決定されるため、コントロールしづらいものです。

人件費を下げることばかり考えてしまうと、従業員さんの労働意欲にも影響を及ぼしてしまいます。

 

そのため、労働分配率を一定の範囲内に抑えるためにはむしろ人件費の増加を前提として、限界利益を増加させる打ち手を検討しましょう。

限界利益を増加させるということは、会社の生産性を上げるとういうことです。

これは、優秀な人材を継続的に確保していくという意味でも重要な視点です。

人件費を下げることばかりに着目するのではなく、限界利益を高めることに意識を向けてみましょう。

 

まとめ

会社の目標は、人件費は高く、労働分配率は低くです。

そのためには限界利益(粗利)をしっかり稼ぎ出さなければなりません。

限界利益が増えれば、人件費がそのままでも労働分配率は下がります。

 

例えば、もともとの労働分配率がその会社にとって適正な30%だったとします。限界利益が増加したことにより労働分配率が25%に下がったとします。

その下がった部分の5%をボーナスとして従業員さんに還元するというのはどうでしょうか?

もともと30%が適正な労働分配率なので会社としては問題ありませんし、従業員さんもボーナスをもらえて嬉しくなるでしょう。

また、頑張れば自分に給料として還元されるということがわかれば、従業員さんのモチベーションアップにつながって、さらなる好循環を生むかもしれません。

労働分配率を意識しながら、限界利益を高める経営をしていきましょう(^^)/

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