おはようございます。
茨木市の税理士、三松です。
今回は「交際費」についてのお話です。
タクシー代は交際費になるのか?
「タクシー代」といえば、「旅費交通費」の科目で処理されることが多いのではないでしょうか。
出張先や営業で取引先に向かうためにタクシーを使用する場合はもちろん「旅費交通費」の科目で処理することになります。
では、得意先を接待するためのお店まで、得意先と一緒にタクシーを使った場合はどうなるのでしょうか?
これは「交際費」に該当します。
条文では「交際費等とは、法人がその得意先、仕入先、その他事業に関係ある者等に対する、接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出するものをいう」と定義されています。
難しい文言になっていますが、注目するのは「その他これらに類する行為」です。
得意先と一緒にタクシーで接待場所に行くことは、条文上の「その他類する行為」に該当するのです。
そのため、接待に使ったタクシー代は交際費として処理しなければなりません。
もちろん、接待場所へのタクシー代だけではなく、
「接待のために得意先を迎えに行く」、「接待後に得意先を自宅等に送る」
といったタクシー代も交際費に該当することになります。
さらに、接待をした側が帰宅に利用したタクシー代も交際費に該当しますのでご注意ください。
接待を受けるために支出したタクシー代は交際費にならない!?
先ほどの例は、接待する側の立場での処理です。
では、接待される側として、タクシーを使った場合はどうなるのでしょうか?
得意先のパーティに招待された場合や、接待を受けるために接待場所まで自分でタクシーを使って行く場合があると思います。
この際のタクシー代は交際費に該当するのでしょうか?
この場合のタクシー代は交際費には該当しません。
交際費の定義として書かれているのが、接待する側の立つ場の行為のことです。
ですので、たとえ交際費に係る費用であっても、接待を受けるための費用は交際費に該当しないことになります。
招待されたパーティへの出席などのタクシー代は旅費交通費の科目で処理して問題ありません。
まとめ
タクシー代といった支出内容だけみると、旅費交通費の科目で処理してしまいがちですが、何のために使用したかを確認して適切に処理しなければなりません。
中小法人(期末資本金1億円以下)の場合は、年間800万円まで交際費が認められているので、少々科目が間違っていても税金への影響は少ないと思われるので、そんなに心配する必要がないかもしれません。
しかし、正しい会計処理といった点では、しっかり交際費で処理して、無駄な交際費がないかなど支出に目を光らせる必要があると思います。
中小法人でも、支出した交際費が800万円を超える場合は、超えた部分は経費と認められるず、法人税の対象となります。
税務調査等で、旅費交通費で処理していたタクシー代が交際費として指摘され、思わぬ追徴課税を受けないように、日々の取引からしっかり区分して処理しておきましょう。