お店が忙しくなってきたからアルバイトを増やしたいと思う反面、人を採用しても利益が増えなければ意味がありません。
飲食店経営者の悩ましい問題です。
そんな時は会計データを活用してシミュレーションしてみましょう。
まずは現状分析!
アルバイトを採用するかのシミュレーションに入る前にまずは現状分析です。
今のお店が、どれくらいの経費を使ってどれくらいの利益が出ているのかを確認する必要があります。
1ヶ月の売上が100万円、食材費30万円、アルバイト代20万円、固定費(家賃その他)25万円だっとします。
1ヶ月のお店の利益は
100万円ー30万円ー20万円―25万円=25万円ということになります。
原価率が30%(食材費30万円÷売上100万円)、人件費率20%(アルバイト代20万円÷売上100万円)ということがわかります。
売上に対して変動費が50%かかっているということです。
変動費とは、売上が増えれば同じ割合だけ増える経費のことをいいます。
人件費は固定費との考え方もありますが、飲食店のアルバイトの場合、シフトによって勤務時間を調整できますのでここでは変動費として取り扱っています。
アルバイトを採用すると売上、利益はどうなるのか?
お店の現状分析ができたので、いよいよアルバイトを採用した場合のシミュレーションを行っていきます。
まずは仮定でいいのでアルバイトを採用した場合の増加する人件費の額を考えます。
今回はアルバイトを採用したら8万円の人件費が増えると仮定します。
次に同じ利益を残すためにはいくらの売上が必要かを考えます。
先ほど確認した原価率や固定費の数字を使いながら必要売上高を求めます。
そうすると111万円の売上が必要ということが判明します。
売上111万円ー食材費33万円(30%)-アルバイト代28万円(20万円+8万円)
-固定費25万円=利益25万円
アルバイトを採用した場合の売上、利益のシミュレーションができました。
アルバイトを採用するかどうかを検討する!
シミュレーションの数字を使ってアルバイトを採用するかどうかの検討に入ります。
アルバイトを採用して同じ利益を残すためには111万円の売上必要ということです。
ということは、1ヶ月で売上高11万円以上増やさなければ利益は増えないということです。
もっと細かく見れば、1日5,500円の売上が必要ということです。(20日営業の場合)
この1日当たり5,500円の金額が経営者にとって高いか安いかです。
例えば、アルバイトが不足しているためにお客様を取りこぼしているようであれば、アルバイトを採用することによって取りこぼしがなくななれば目標売上を達成することができるでしょう。
アルバイト採用することで疲労パンパンでやってスタッフに余裕ができるといった効果が期待できるかもしれません。
それがサービス向上につながってさらなる売上増加につながるかもしれません。
逆に1日5,500円の売上を増やすのは難しいと思うのであれば、アルバイトの採用を見送って別の方法で利益改善や業務の効率化を考えていく必要があります。
最終的には経営者の判断にはなりますが、このように数字で見ることでより採用の判断をより具体的にイメージできるのではないでしょうか。
まとめ
アルバイトを採用するかどうかの判断を数字を見てシミュレーションしましょうということで書かせていただきました。
もちろん良い人材がいた、スタッフの忙しさを軽減するためなど人の採用には数字だけでは図れない部分もあると思います。
あくまでも経営的な利益を残すといった視点から、飲食店経営者の方の参考になればと思います。
P.Sトラキチ税理士の独り言
2023年のプロ野球が開幕しました。
我らが阪神タイガースは開幕3連勝と好スタート発信。
でもまだまだシーズンは長いのでこれからですね。
今週もいっぱい勝っていきましょう!