経営者の皆さんには月次決算に取り組みましょうというお話をさせていただいております。
なぜなら月次決算は数字の宝だからです。
月次決算に取り組むことで赤字の兆候だってわかるんです。
ということは、赤字にならないために早めに対策を打てるということです。
まずは現状の業績を把握する!
赤字の兆候を把握するためには、まず月次決算に取り組んで現状の業績を把握する必要があります。
今、現在儲かっているのかどうかわからないと対策も何もないですからね。
では、飲食店の事例で見ていきましょう。
3月決算法人である居酒屋「雨ヤギさん」の9月末の業績は次の通りです。
売上 | 2,500万円 |
仕入 | 750万円 |
粗利 | 1,750万円 |
人件費 | 1,000万円 |
家賃 | 400万円 |
営業利益 | 350万円 |
飲食店としての一般的な原価率30%(仕入÷売上)をしっかりコントロールできています。
人件費率(人件費÷売上)が40%と少し高いのが気になりますが、利益も350万円計上されているので業績としては良い感じです。
もちろんこの成績には満足していいと思います。
しっかり利益が出てるのですから
ただ業績が良いと思っている時にこそ落とし穴があるものです…
前期比較で赤字の兆候を読み取る!
月次決算を行った場合、「当月の業績がどうなのか?」、「当月末までの今期の業績はどうなのか?」と利益がしっかりでているのかを把握することが最も重要なことではあります。
ただ、それだけで終わってはいけません。
前月の数字であったり、前年同月の業績と比較することで業績がどうのように変化しているのかを読み取ることができるのです。
では先ほどの飲食店「雨ヤギさん」の事例で続きをみていきましょう。
前年同月の数字と並べてみると、数字の変化に気づくことができます。
当月 | 前年同月 | |
売上 | 2,500万円 | 2,000万円 |
仕入 | 750万円 | 600万円 |
粗利益 | 1,750万円 | 1,400万円 |
人件費 | 1,000万円 | 500万円 |
家賃 | 400万円 | 200万円 |
営業利益 | 350万円 | 700万円 |
いかがでしょうか?
売上は1.25倍と伸びていますが、営業利益は前年の700万円から350万円と50%減少しています。
人件費、家賃の増加が大きな要因であることは月次決算の数字から読み取れるのではないでしょうか。
店舗の拡大等で人員の増加による人件費や家賃が増加したといったところでしょうか。
もちろんさらに売上が伸びれば問題はありませんが、そうはうまくいかないのが経営です。
このまま去年の売上に落ち込んでしまうとたちまち営業利益は0円になってしまい、さらに売上が落ち込めば赤字になってしまう可能性だってあります。
月次決算で赤字の兆候をいち早く感じ取る!
月次決算を活用して赤字の兆候をいち早く感じ取る必要があります。
今回の飲食店の事例で言えば、人件費と家賃の増加です。
もちろん店舗を拡大したのであれば、赤字にならないために売上をもっと増やすというのも一つの方法ですが、売上は外的要因が含まれますので増加するかどうかは不確かです。
しかし、人件費のコントロールは自社でできます。
新しいスタッフが育ってくれば、ある程度人件費率は落ち着くかもしれません。
新店舗で忙しいという予測で過剰に人員を配置しているかもしれません。
しっかりと分析して早めに対策を打つことで、業績悪化を回避できるのです。
そのためにも月次決算に取り組んで数字を把握していくことが会社経営に重要だということです。
まとめ
月次決算を行って毎月の業績を把握することは経営においてとても大切なことです。
また前月や前年同月の数字と比較することで、数字の変化に気づくことができ赤字の兆候を読みとることだってできます。
ぜひ月次決算に取り組んで、経営を盤石なものにしていきましょう!
P.S トラキチ税理士の独り言
18年ぶりの歓喜の胴上げから間もなく1週間。
残り試合もあとわずかになり少し寂しい感じです。
しっかりと調整してまずはCS突破は目指して頑張りましょう!
本日は関西対決に向けてオリックスを応援したいと思います。