利益はしっかり出ているので、お金が残っていない?
そんな疑問をお持ちの社長様もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
どうしてこんな事が起こるのでしょうか?
それは利益の流れとお金の流れが一致していないからです。
利益と資金の流れが一致しない理由
「勘定合って、銭足らず」という言葉を耳にしたことがあるでしょうか?
これは「損益計算上では利益が出ているのに、実際の資金が足らない」という意味です。
例えば、利益が100万円増えても、預金口座の資金が100万円増えるとは限りません。
売掛金として100万円残っていれば手元の資金は0円ですし、次の販売のために100万円の仕入があれば資金は同じく0円になります。
いわゆるお金が寝ている状態になっています。
「在庫や売掛金」という状態は、将来の資金として手元に戻ってくるはずのものが、在庫や売掛金などの現金以外の形に止まっていることであり、その分だけ資金が寝ていることになります。
借入金の返済にも注意!
借入金の返済は税引き後利益から返済しなければなりません。
利益を出して、そこから税金を払って、さらにその残ったお金が借入金の返済原資になります。
売上 500万円 - 仕入 300万円 ー 経費 100万円 = 利益 100万円
利益 100万円 ー 税金 30万円 = 70万円 税引き後利益
税引き後利益 70万円 ー 返済 50万円 = 20万円 手元に残る現金
計算式で表すとざっくりこんな感じになります。
100万円儲かっていたと思っていたのに、税金と借入金の返済をしたら手元に20万円しか残りません。
社長が「利益が出てるのにお金が残っていない」と思っても仕方がないかもしれません。
でも、これが資金の流れなんで税引き後利益から返済するという考え方をしっかり頭に入れといてくださいね。
そうでないと、税金払いたくないからと言って節税で100万円の利益を圧縮してしまうと、借入金の返済原資がなくなってしまいますし、手元に20万円残っていたのにそれも残りません。
お金の流れとしては、税金の支出はなくなりましたが、借入金の返済でマイナスとなってしまいます。
資金繰りの意識も重要です。
利益の流れとお金の流れが一致しないということは少しはお分かりいただけたでしょうか。
会社にとっては利益も重要ですが、資金もそれ以上に重要かもしれません。
利益が出ていても、お金が残っていなければ倒産してしまいますからね。
今まで、利益を重視していた社長様は少し資金の流れに注目して経営をしてみると新たな改善点が見えて、資金繰りが楽になるかもしれませんよ!