税務調査がなくなる?書面添付制度のメリットについて

「金融機関から信頼される会社にしたい」

「税務調査をなくしたい」

このような思いをお持ちの経営者はきっと多いはずです。

金融機関や税務署の信頼を高めるために必要なことは、適正な決算と申告です。

会社が正しい決算と申告を行っていることを税理士が証明する制度として「書面添付制度」があります。

書面添付は決算書および申告書の信頼性向上につながるため、税務署や金融機関からの評価が高まってきています。

今回は税理士の権利の一つである「書面添付制度」について解説いたします。

 

書面添付制度とは?

書面添付制度とは、税理士法第33条の2第1項の規定に基づき、税理士が税務申告書の作成に際し、計算し、整理し、又は相談に応じた事項を明らかにする書面を添付する制度です。

 

簡単に言うと、税理士が決算書や申告書を作成するにあたって、どのような書類を確認し、どのように処理したのか、お客様(納税者)からどういった相談を受けたのかなど決算書や申告書の作成過程を明らかにした書類を添付することができる制度です。

税務署に対して、「このお客様はきっちり決算書や申告書を作成してますよー」ということがアピールできます。

「きっちりやってるから税務調査にこないでくださいねー」ということです。

 

書面添付は簡単に作成して添付できるものではありません。

お客様が適正に経理処理した事項について、第三者である税理士が証拠資料とともに、その会計処理や数字が正しいことを確認して、はじめて添付できる書類でもあります。

お客様の適正申告についての考え方や税理士とお客様との信頼関係といった、お客様の協力が必要となります。

 

虚偽記載をすれば税理士はアウト

書面添付に虚偽記載をすることはできません。

確認していない事項について、確認したとか、売上が漏れているの、漏れていないと記載することはできません。

「税金ごまかしているけど、適正に経理していると書いといて―」なんてことは絶対にできないということです。

 

なぜなら、書面添付に虚偽記載をした場合には、税理士に対して直接的な懲戒規定が設けられているからです。

適当なことを書いてしまうと、税理士として業務ができなくなってしまいます。

 

税理士は自分の資格を賭けて、書面添付を作成することになります。

そういった厳しい規定があることもあって、書面添付の実践割合は10%程度にとどまっています。

 

しかし、資格を賭けて作成する書類だからこそ、その信頼性は非常に高いものになります。

 

書面添付制度がお客様にもたらすメリット

書面添付制度がお客様にもたらすメリットを見ていきたいと思います。

1.決算書及び申告書の信頼性が向上します。

お客様が毎月会計処理した数値について、税理士が確認し、帳簿の証拠力を担保します。

日々の取引を税理士がしっかり確認することで、決算書や申告書の品質は高まります。

品質の高い決算書の正確なデータは、経営に役立てることができます。

 

また、税務署は決算書や申告書の数字は見れても作成過程までは見ることができません。

書面添付を添付することで税理士がここまでの書類を確認して、こういった処理をしているという風に決算書や申告書の作成過程が明確になります。

そういったことから、税務署に対する決算書や申告書の信頼瀬が高まるのではないでしょうか。

 

2.税務調査が省略される。

書面添付が添付されている申告書については、税務調査の日時を通知される前に、税務署に対して税理士が意見を述べる機会が与えられます。

これを「意見聴取制度」といいます。

意見聴取の場で、税務署の疑問を解決することができれば、税務調査は省略されることになります。

もちろん、現場を見なければ判断できないこともあり、毎回調査が省略されるわけではありませんが、まずは税理士の意見を聞いてもらえる場が与えられるということです。

適正申告をしていても、税務調査となると不安な気分になりますし、税務調査となれば時間も取られるので、できれば避けたいと思うのが社長の本音でしょう。

書面添付することで、そういった不安が解消されることになります。

 

3.金融機関からの信頼性が高まる

昨今では、決算書の作成過程が第三者の税理士によって証明されるということで、金融機関からの書面添付に対する評価も徐々に上がってきています。

金融機関にとっても数字の変化や、どういった会計処理をしているかといったことは、関心が高い部分になります。

業績の変動事由などを書面添付で明らかにすることで、金融機関に対する決算書の信頼性を高めることができます。

また書面添付に注目した融資商品も提供されており、有利な金利で融資を受けることができます。

 

まとめ

納税意識を高くし、適正申告に取り組んでいる会社は成長すると思います。

そんな会社こそ書面添付を作成して、税務署や金融機関に信頼性の高い決算書や申告書であることを税理士がアピールしなければならないと思います。

適正申告に取り組んでいる会社で書面添付制度を活用したいと思われた経営者様は、下記の問合せフォームよりお気軽にご相談ください。

 

 

 

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