利益率の改善について考える!

会社の利益アップを考えた時に真っ先に思い浮かぶのが、売上アップです。

売上アップももちろん大事ですが、利益をアップする方法は売上を上げることだけなのでしょうか?

そこで他に考えられる方法の一つが、利益率の改善です。

利益率の改善を考える!

ここで言う利益率とは「限界利益率」のことです。

言葉が難しいなと思われる方は、商品の粗利益と考えていただいてもかまいません。

 

商品を1個、1,000円で販売して仕入原価等を差し引いて300円の利益が残れば限界利益率は30%(300円÷1,000円)という事です。

この限界利益率は商品の付加価値力で、商品価値が高ければ限界利益率も高くなっていきます。

 

この限界利益率を改善して、利益アップしていきましょうということです。

では、どういった改善策が考えられるのか…

 

限界利益率の改善策としては、売上単価のアップ、変動費率(原価率)のダウン、売上構成の見直しなどが考えられます。

 

自社でできることを検討してみましょう!

「うーん、売上単価や変動費率(原価率)の見直しは、得意先や仕入先などの相手がいるので難しそうだな」と思われた方もおられるでしょう。

確かにそうかもしれません。

よほどの商品力がない限り簡単に売上単価のアップはできませんし、仕入先に対してもいきなり値下げを要求することはできません。

 

そこで、もう一度よく考えてみましょう。

得意先や仕入先の実績をもとに、現状より良い取引条件ができないか検討するのはどうでしょうか?

 

例えば、値引きの多い得意先に対しては売上貢献度を分析して、値引き額を引き下げることを提案してみるとか、安易な値引きをしてしまっている得意先がないか検討することで限界利益率が改善されます。

もちろん、商品力を高めて新たな付加価値を提供することで、販売単価を上げることも一つの方法です。

 

また、仕入単価や外注単価の見直しが難しい場合も、仕入れる量を調整して余剰在庫の削減や外注の内製化、不良、ロスの自社でできることに取り組んでみましょう。

 

限界利益率の高い商品のグループの販売に力を入れる!

売上構成の見直しが、利益アップの改善策になるのでしょうか?

複数の商品を扱っている場合、商品ごとに限界利益率を把握して限界利益率の高い商品の売上割合を向上させることで、会社全体の利益率の改善につながります。

 

例えば、次の事例で考えてみましょう。 (単位:万円)

商品 売上 限界利益率 限界利益
A 500 30% 150
B 300 40% 120
C 200 60% 120
全社 1,000 39% 390

 

売上1,000万円に対して限界利益が390万円なので、会社全体の限界利益率は39%となります。

そして、限界利益率が高い商品はCです。

C商品の売上が増加すれば、会社全体の限界利益率が高くになり、限界利益も増加します。

 

では、A商品の売上が100万円減少し、C商品の売上が100万円増加した場合に、限界利益率がどう変化するのか見てみましょう。

 

売上構成見直し後 (単位:万円)

商品 売上 限界利益率 限界利益
A 400 30% 120
B 300 40% 120
C 300 60% 180
全社 1,000 42% 420

 

会社全体の売上は1,000万円で変わりませんが、限界利益率が39%⇒42%となり、限界利益も390万円⇒420万円と増加しています。

 

売上構成を見直しすることで、限界利益率を改善することができ利益アップにつながります。

 

経営数字を活用しましょう!

得意先に対する値引き額の見直しや限界利益率を改善のシミュレーションなどは、自社の経営数字を把握していないとできないことです。

変動損益計算書などを活用して、自社の課題を分析し、解決策を考えていくことがとても重要です。

 

「でも、経営数字を見ていくのは難しいなぁ」と思われるかもしれませんが、そんな時こそ税理士を活用しましょう。

 

「この得意先の値引き率を下げたら利益はこれだけ上がりますよ」

「商品ごとの限界利益率を出して、この商品の販売に力を入れたらこれだけ限界利益率を改善できますよ」

税理士はこういった数字を使った助言や数字の変化を見せることができます。

そこから何か経営のヒントを掴んでいただきたいと思っています。

 

売上アップの方法は提案できないかもしれませんが、経営数字を読んで、経営者にお伝えすることが税理士の仕事だと思っています。

 

まとめ

利益をアップするための方法は売上を上げるだけではありません。

さまざな角度から検討する必要があります。

経営数字を活用して、より良い経営を目指していきましょう!

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