京セラの稲森和夫さんの経営の12カ条に、「値決めは経営」という言葉があります。
値決めはトップ(経営者)の仕事であり、お客様も喜び、自分も儲かるポイントは一点であるとのことです。
値段を決めるの本当に難しいことです。
安ければ儲からないですし、高ければ売れない可能性が高まります。
商品やサービスの価値を適正に判断して、お客様が喜んで買っていただける金額を付けなければなりません。
三輪そうめんの価格は神託で決まる!
そうめん発祥の地で有名な奈良県桜井市で作られる、「三輪そうめん」の値段ですが、なんと「ご神託」で決定されています。
三輪そうめんの今年の卸値を占いで決めているのです。
奈良県出身ながら、私も最近まで知りませんでした。
どのように決定されるかというと「高値」「中値」「安値」のいずれかが書かれた紙を筒状に束ねた麻でつき、貼りついたものを占いの結果として値段が決められます。
まさに「神のみぞ知る」といった感じです。
経営者は占いでは決められない!
三輪そうめんのように、経営者も占いで値段を決めることができれば楽になるかもしれませんが、そうはいきません。
値決めが経営と言われるように、値段をしっかり決めることが経営者の仕事です。
商品やサービスの場合、さまざまな角度から値段を考える必要があります。
例えば、材料費や販売コストを計算して、利益が出るように値段を設定することも重要です。
また、売れるためには、ある程度価格を下げることも必要かもしれません。
ただし、売るためだからといって価格を下げ過ぎると、今度は利益が取れなくなってしまいます。
やはり、お客様も喜び、自分も儲かる一点を見つけ出すために、経営者は考え、悩んで、値段を決める必要があるのだと思います。
商品やサービスに付加価値をつける
安くすれば、売れる可能性は高まるかもしれませんが、やはり会社に利益が残らなければ意味がありません。
中小企業などは価格競争では大企業に負ける可能性が高いです。
ならば、どうすべきなのか?
やはり商品やサービスに付加価値をつけて売り出すことです。
「このお店のこの商品じゃないとダメだ」、「このサービスがほしい」とお客様に思ってもらえるように商品やサービスの価値を高めることです。
このように、お客様の満足度を高めることができれば、値決めの難しさは少しは楽になるのではないでしょうか。
なぜなら、お客様が「その値段を払ってでも欲しい」と思ってくれるからです。
その商品やサービスの価値が高まれば、経営者の望む値段で販売でき、価格競争にも巻き込まれなくなります。
値決めも重要ですが、いかにして付加価値を高めるか、それを考えることも重要だと思います。
付加価値=限界利益を高めること!
付加価値を高めることは、限界利益を高めることだと思います。
限界利益を高めるためには、販売単価を上げるか、変動費(原価)を下げるかのどちらかです。
つまり、商品に付加価値がつくことで、販売単価を上げることができ、限界利益も上がるということです。
限界利益を高めることを考えることで、安易な値下げに走らず、いかにして商品やサービスの価値を高めるかといった考え方にシフトしていけば、業績はもっと良くなるはずです。
そのためには、自社の限界利益を知って、どう改善すれば、どのように利益が変わるのかということも必要になると思います。
計数管理が自社の商品やサービスの値決めにも必要になるということです。
日々の売上だけでなく限界利益を意識することで、高付加価値を提供できる利益体質の会社に変わっていけるのではないでしょうか。
まとめ
値決めの話から、付加価値、限界利益を高めましょうという考え方につなげてみました。
私、自身も顧問料の決め方には頭を悩ませています。
お客様が満足いただけるサービスを提供できるように、価値を高めていきたいです。