会計システムが進化して、とても便利になっています。
フィンテック機能を利用をすれば、預金データは自動で仕訳ができたりしちゃいます。
経理が簡単に、そして楽にできる時代に変わってきています。
それでも、経営者の中には税理士に記帳代行を依頼したいといったニーズはまだまだ高いような気がします。
今回は税理士に記帳代行を依頼するメリット・デメリットについて考えてみたいと思います。
記帳代行を依頼するメリット
記帳代行とは、ざっくり言うと経理を税理士に丸投げすることです。
めんどくさいてややこしい経理をやらなくていいということです。
つまり、経営者は経営に集中できるというメリットがあります。
経理のことは難しくてめんどくさいからやりたくないと思われている経営者の方は多いです。
経理を自分でするぐらいなら、税理士に丸投げしてその時間を自分は営業に力を入れて売上を伸ばすことに集中した方がいいといった考え方です。
できないことを悩みながらするよりは、専門家に任せてしまう方が経営の効率化が図れます。
経営者は会社の経営や営業に専念し、事業を成長させるという考え方です。
独立したばかりの方など売上を増やすために営業に専念したいと思われている方にとっては記帳代行はメリットがあるのではないでしょうか。
また、日々の領収書の整理や経理の数字がどうしても苦手だという方にとっては、記帳代行を依頼することでそのような悩みから解放されるというメリットもあります。
今年こそ自分で経理をやろうと思っていたけど、結局決算間際になってまとめてやることになってしまったなど、日々の経理処理を苦手に感じる方もおられます。
頭を悩ませる記帳から解放されるためにも記帳代行を依頼することは一つの手段です。
もう一点、記帳代行を依頼するメリットはコストの削減です。
自社で経理をすることは会社を成長させるためには重要なことですが、社長が経理をできないとなると経理担当者を雇う必要が出てきます。
経理担当者一人を雇うとなると、月20万円くらいの人件費が増加します。
パートやアルバイトであっても月8万円くらいの人件費が増加することになります。
記帳代行を依頼すると、領収書の枚数や仕訳の数、会社の規模によって変動はしますが、おそらく人一人分の人件費よりはコストが下がるはずです。
コスト削減のために記帳代行を依頼するのも一つのメリットです。
記帳代行を依頼するデメリット
続いて、記帳代行を依頼するデメリットについてです。
一番大きなデメリットは、業績をタイムリーに把握できないことです。
税理士に資料を渡して、そこから経理処理をして試算表を作成することになりますので、やはり出来上がるまでに時間がかかってしまいます。
10月の試算表を例に出すと、11月に経理資料を渡して試算表の作成が開始されますので、早くて11月末、もしくは12月になってから10月の試算表を渡されるなんてこともあります。
12月になって10月の業績を見てどう思うでしょうか?
「(もう11月も終わってるし、)そうですかー」と経営者が全く興味を示さない数字になってしまいます。
また11月決算期だったら、たいへんです。
10月で大きく利益が上がっていも、試算表を確認する頃にはもう12月に入っているで決算対策の打ちようがありません。
やはり業績管理はタイムリーにする必要があります。
自社で経理するより業績把握が遅れてしまうことが、記帳代行を依頼する一番のデメリットだと思います。
もう一つは、正しい経理処理ができているかが怪しくなることです。
もちろん税理士に依頼するので経理処理を間違うことはありません。
ここで言う、経理処理とは細かい勘定科目のお話です。
例えば、「飲食代」です。
取引先と行ったなら「交際費」ですし、従業員との親睦のためなら「福利厚生費」となります。
よほど大きな金額でない限り、どちらの科目で処理していても税務的には大きな問題とはならないでしょう。
でも、それが正しい経理処理かどうかは疑問が残ります。
その「飲食代」は交際費なのか福利厚生費なのか一番わかるのはお金を使った会社です。
だから、会社が自分で経理をすることで、正しい経理処理の科目を選択できるのです。
自ら経理処理した会計帳簿こそ証拠能力が高まります。
記帳代行を依頼することは、それを放棄していることと同じです。
まとめ
記帳代行依頼するメリット・デメリットを記載しました。
会社の状況や経営者の考え方によって、どちらを重視するかというのはそれぞれだと思います。
私は、タイムリーな業績把握こそ事業の成長につながると思っていますので、記帳代行に頼らず自社で経理するべきだと思っています。
そのために、簡単で楽に経理ができるように最善のサポートはさせていただきます。
経理がめんどくさいからという理由だけでなく、メリット・デメリットをしっかり把握したうえで、事業を成長させるためにはどちらがいいのか選択するようにしましょう。