おはようございます。茨木市のトラキチ税理士の三松です。
確定申告のシーズンではありますが、3月決算の会社さんにとっては決算まで残り2か月を切り、決算対策も考えていかなければならない時期だと思います。
そこで今回は、決算対策における生命保険の見直しを考えてみたいと思います。
節税に活用する!
保険を活用しての決算対策といいますと、一番イメージしやすいのが節税対策です。
今期は決算で大幅な黒字になりそうなので節税したいと思ったときに、解約返戻金がある積立型の保険に加入して節税対策を行います。
また短期前払費用といいまして、翌年1年分の保険料を年払い契約で決算期末までに支払えば、全額今期の経費として認められるため、一気に何百万円といった保険料を経費に計上することができるので、大きな節税効果があると思います。
注意していただきたい点は、節税といっても、あくまでも税金を繰り延べているだけということです。
解約返戻金を受け取るときの戦略を考えておかないと、今は節税で得しても将来的に税金が課税されることがあります。
また、年払い保険料は毎年支払わなければなりませんし、短期間で解約してしまうと解約返戻率も悪くなって節税よりも損することになってしまいます。
目先の節税だけにとらわれず、将来的な業績予想や資金繰りのことも考えて加入するようにしましょう。
赤字対策に活用する!
今期の予想が赤字で資金繰りが苦しいとういうときには、生命保険を解約して決算対策に活用する方法があります。
長期間、掛けている積立型の保険を解約すれば、解約返戻金が戻ってきます、
解約返戻金は雑収入で利益となりますので、黒字化対策として活用することができます。
また資金が入ってくることから、資金繰り対策としても有効です。
生命保険の解約はタイミングによって、解約返戻率が変わることから十分な検討が必要です。
今のタイミングでの解約がどうなのか、解約返戻金はどれくらいあるのかを、保険会社の担当者に確認しましょう。
そのうえで、会社の存続を考えた場合に、黒字化対策として有効かどうかを再度検討の上、実行するかどうかの判断をしましょう。
保険料の削減を考える!
翌期以降の業績予測があまりよくないときに、保険料の削減を考えてみるのも一つの方法です。
保障がすべてなくなる解約という選択だけでなく、「保障の減額」や「特約部分の解約」、「積立型の保険から掛捨て型の保険への契約変更」など様々な角度から検討することができます。
決算を機に、生命保険を再度見直すとういのもひとつの対策になるのではないでしょうか。
毎期、決算時期には企業防衛をご提案します!
当事務所では、決算期ごとに企業の標準保障額を算定しております。
標準保障額とは、社長に万が一のことがあったときに会社を存続もしくは、金融機関からの借入金などを返済し会社をきれいに清算するための資金がいくら必要なのかを表したものです。
社長にとっては亡くなったあとの話で面白くない話かもしれませんが、会社を守るため、社長の家族や従業員さんを守るためには必要なお話です。
会社の経営状況をわかっている税理士だからこそできる提案もあると思います。
また保険の話かと思わず、少し耳を傾けていただければ幸いです。
まとめ
決算期に保険を見直すことは、保険加入時と現在の会社の状況とのギャップを是正することにあります。
節税対策や退職金準備として加入したものの、現在ではその必要性があまりなくなっているものがあったりします。
また先ほどお話した標準保障額を満たしていない場合や、借入金が減って標準保障額が下がっている場合も考えられます。
保険のメンテナンスを年1回行うということは、保険の加入目的や標準保障額を適切に調整するために有効です。
ぜひ、決算期には保険の見直しを行ってみましょう(^^)/