経理の基本は現金管理です。
しかし、この現金管理が簡単に見えて難しいのです。
今回はこの経理の基本である現金管理についてざっくり解説いたします。
現金管理は経理業務の基本
現金管理は会社の大きい、小さいにかかわらず経理業務の基本となります。
毎日、現金の実際有高と帳簿残高が一致することで、売上や経費の計上漏れがないことを確認することができます。
そのためには、会社でしっかりとした現金管理のルールを決めておく必要があります。
現金管理が杜撰だと経理も杜撰になってしまいます。
経理初心者の方も、まずは現金をきっちり合わせるところから始めてみましょう。
毎日の残高を合わせる
現金管理を始めるためには、会社の現金と個人の現金を区別する必要があります。
個人事業主であれば、事業用の現金とプライベートの現金を区別する必要があります。
そのためには、まず会社の金庫を用意するようにしましょう。
金庫を用意するのが難しい場合は会社の財布を作るようにしましょう。
そして現金で支払いについて、会社の金庫又は財布から出金することになります。
社長が自分の財布から立て替えて支払ったものであっても、領収書と交換に会社の金庫又は財布から出金して精算します。
めんどくさいかもしれませんが、それが会社と個人の区別です。
そのうえで、現金取引についてはその日か次の日には経理するようにしましょう。
そうすることで、日々の正確な現金出納帳(現金残高表)を作成することができます。
もちろん、直接会計ソフトに入力して、パソコン上の現金出納帳で問題ありません。
そして会社の金庫(会社の財布)の現金を数えて、現金の実際有高と帳簿残高が一致するか確認します。
これが現金管理の基本になります。
現金残高を毎日合わす理由
現金を毎日合わすのはたいへんそうだなと思われるかもしれませんが、これには理由があります。
売上や経費の支払い処理の計上が漏れていると現金の残高が合わなくなってしまいますが、現金取引は預金取引のように記録が残らないため、後からその動きを追いかけることは難しいです。
毎日、現金残高を合わせていれば、残高が一致しないときは、取引の計上漏れや起票の誤りがないかを調べれば、その原因がすぐにわかるようになり、売上や経費の計上漏れがなくなるというメリットがあります。
こういった理由から、現金残高の管理は毎日行うことが大切になります。
どうしても毎日するのはたいへんだという方は、領収書が少し溜まってから精算する方法でもかいません。
しかし、領収書を溜めすぎると精算がめんどくさくなったり、領収書の内容がわからなくなったりと不一致の原因になります。
せめて1週間に1回は精算して現金の残高を確認するようにしましょう。
また、現金管理がきちんとできていることで税務調査に対する心象も違ってきます。
現金管理が適正にできているということは、会社の現金の動きに対する会計上の仕組みが構築できていることになり、社内の不正や誤りを発見・防止できる社内体制が整っていると判断されます。
逆に現金管理がずさんだと、売上や経費の計上にも不備がある可能性が高いと判断されて税務調査が厳しくなる可能性が高くなります。
こういったことも踏まえて、現金管理はしっかりやるようにしましょう。
現金管理のルールを作りましょう!
自社にあったルールを作っておくことも、現金管理をするうえで役立ちます。
社内の現金は。あらかじめ定めた金額の補充のためだけに預金口座から引き出し、現金収入などは直接預金口座に入金することで管理が容易になります。
現金管理のポイントは、銀行振込やキャッシュレス決済を活用することで、社内での現金の受払いを極力減らすことです。
極端ですが、全てキャッシュレス決済にしてしまえば、現金の管理は必要なくなるという事です。
自社に合ったルールを作り、ルールに基づいた処理と定期的なチェックを徹底することで、現金の管理を適正に行うことができます。
キャッシュレス決済の導入が経理業務の省力化に!
キャッシュレス決済を導入することで、現金の管理が楽になるだけでなく、経理業務の省力化にもつなります。
経費の支払いをキャッシュレス決済にすると、現金精算や残高確認などの日々の業務が省力化されることになります。
さらに、キャッシュレス決済のデータは会計ソフトに自動で読み込むことができますので、経理処理も省力化できることになります。
キャッシュレス決済を導入することで、めんどうな現金精算や残高の管理、経理の入力といったことが一気の解消されます。
現金管理で悩んでいる方は、ぜひ経費精算にキャッシュレス決済を検討しましょう。
まとめ
経理業務の基本である現金管理について解説いたしました。
現金管理が適正な会計処理をする第一歩です。
当事務所では経理業務の体制構築に力を入れておりますので、現金管理でお悩みの場合はお気軽にご相談ください。
キャッシュレス決済導入による経理業務の省力化もご相談承ります。