先日のYahoo!ニュースで「医療機関の倒産の増加」の記事がありました。
どういった内容なのか、少し触れてみたいと思います。
倒産増加の要因は歯科医院!
帝国データバンクの調べでは、2018年の医療機関の倒産(法的整理のみ)は10月末時点で33件で、このままのペースで推移すると、年間の倒産件数は40件前後となる見込みだそうです。
これは2000年以降では、2009年(52件)、2007年(48件)に次ぐ水準になる可能性もあるのですが、その大きな要因は歯科医院の倒産件数の急増にあるとのことです。
歯科医院の倒産件数は最多だった年でも15件で、昨年は10件と落ち着きましたが、今年は6月末時点で15件に達し、10月時点では20件近くにものぼっているそうです。
なぜ歯科医院の倒産が増えているのか?
なぜ、歯科医院の倒産が増えているのか、その理由は断定できていません。
ただ、倒産した歯科医院20件を分析すると、いくつかの傾向が見えてきたそうです。
1つ目は、20件中13件が個人経営、17件が負債1億円未満と小規模事業者が大半を占めていること。
2つ目は大阪、福岡など13件が関西以西に所在しているそうです。
競争の激化で利便性をアピール
歯科医院の施設数は全国に約68,000件台で推移しているそうです。
自宅の近所にも駅に行くまでに歯科医院が数件みかけます。
昔であれば、駅から離れた住宅街に歯科医師夫婦で経営する個人医院をよく目にしましたが、近年オープンする歯科医院は、競争激化の影響から「駅近」や「夜間診療」が共通のキーワードとなっているそうです。
通勤、通学途中に通えることをアピールポイントにしているみたいです。
確かに、休日に家から通うより、会社帰りに寄れるほうが便利だとは思います。
税理士としてできること
税理士として特に個人経営の歯科医院の倒産を防ぐためにはどうすればよいのか?
やはり会計をベースに先生に数字を伝えること、そして先生に気づきを与えて、どうしていくのかを一緒に考えていくことだと思います。
「歯科医院の存続にはこれだけの利益が必要です。」「毎月の固定費を考えるとこれだけの売上が必要です。」「患者さん一人当たりの治療費の平均が〇〇円なので、1日当たり〇人の来院が必要ですね。」
じゃあ、どうやって毎日〇人来ていただくのか?、〇人を効率よく診療するためにはどうしたらいいのか?そういった話を先生と一緒に考えていくことが、税理士の仕事ではないかと思います。
そのなかで、「治療だけだと患者さんは来ないから、予防にも力を入れて定期健診の案内を出そう」とか、「治療費としては患者さんの負担になるかもしれないが、長い目で見たら丈夫な歯を維持できるという理由からインプラントをもっと推奨していこう」といった、先生自身からの考えを引き出し行動計画にまとめることだと思います。
税理士はコンサルではありませんし、歯科医院のプロではないので、そう簡単に経営改善の案は出てきません。私も無理です。自信をもっていいます(笑)
ただ、会計数字をもとに、「このままいったらお金がこうなりますよ」とか、「ここの利益率を改善できればこの売上でも経営は安定しますよ」といったこと伝えることはできます。
そして先生に気づきを与えて、一緒に悩んで、問題を解決していけたらなと思っています。
もしかしたら、もっとすごい税理士さんは劇的な改善方法を知っているのかもしれませんが私にはできません。
歯科医院や先生に寄り添う親身な相談相手になって、一緒に取り組んでいければと思います(^^)/