会計は発生主義で記帳しましょう!

  • 2018年11月19日
  • 2019年5月25日
  • 会計

会計帳簿の記帳方法には発生主義と現金主義といった二種類があります。

タイムリーな業績管理を行うためには発生主義を採用するべきなのですが、まずは2つの方法の違いをじっくりみていきたいと思います。

 

現金主義とは?

現金主義とは、売上、仕入、経費などの記帳を現金の収支とういう事実に基づいて損益を認識する方法です。もう少し簡単に言うと、売上代金をもらったときに売上を認識し、仕入代金を支払ったときに仕入を認識するといった感じです。

簿記をあまり詳しくない方にとっては、「わかりやすいくていいじゃないか」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

確かに、現金の動きを見て帳簿記帳するため、わかりやすいというメリットはあります。しかし、商品在庫や信用取引(掛売上、掛仕入)があると、売上と仕入れの対応ができません。また経費の発生と支払いのタイミングのズレなどによって正確な利益が把握できないといったデメリットがあります。

例えば、現金売上が100万円あって、掛仕入が50万円あった場合で仕入れの支払いが決算月の翌月であれば、

売上100万円 - 仕入 0円 = 利益 100万円となって本来の利益50万円と一致しなくなってしまいます。

このように、現金主義では正確な利益が把握できず、経営に役立つ業績管理ができないことになってしまいます。

また、税務署に提出する決算書は発生主義を原則としているため、期中は現金主義で記帳していても、最終的には発生主義に組み替えないといけませんし、発生主義にしたら思わぬ利益が出ていて納税資金が不足するといったことも考えられます。

発生主義とは?

発生主義とは、売上、仕入、経費を資産の取得や商品等の引き渡しのタイミングで記帳を行う方法です。

お金の動きとは関係なく、物を売る、契約する、サービスを提供するといったタイミングです。

発生主義を採用した場合は「物の動き」に着目してまめな帳簿記帳が求められますが、売上と仕入の対応がしっかりと計算でき、また現金の収支にとらわれず経費が発生したときに経費として認識されるため、会社の正しい業績が反映した月次決算書の作成ができ、その利用価値が高まります。

 

発生主義でタイムリーな業績管理を!

社長さんの中には、「入金がまだだから売上にあげなくてよい」とか「決算までに支払いをしていまわないと経費にならない」といったお考えの方もけっこういらっしゃいますが、実はそうではありません。

上でも書いた通り、税務署や金融機関に提出する決算書は原則、発生主義で記帳したものでなければなりません。

今後は「物の動き」に着目してください。

基本的には商品を出荷したら売上に計上しなければなりません。

また、支払いがまだでも購入した備品が届いて事業に使ったらそれは経費で落とせますし、旅行などサービスを受けた時点で経費に計上することも可能です。

資金繰りの観点からはお金の増減は重要ですが、業績管理のための月次決算ではお金の動きは無視してください。

発生主義で、会社の正しい業績管理に取り組みましょう!

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