融資を申し込む前に確認しておきたいのが、融資を受けられる可能性があるのかどうかです。
銀行との交渉によるものなのでこの基準を満たしていなければ絶対に融資を受けることができないというわけではありませんが、ある程度自社の状況を知って判断しておきたいものです。
今回は決算書からわかる融資の判断基準について見ていきたいと思います。
簡易キャッシュフロー
簡易キャッシュフローとは会社が1年間に返済する力があるかどうかを確認するものです。
簡易キャッシュフローは「税引き後利益+減価償却費」で計算できます。
損益計算書の税引き後利益に減価償却費を足すだけなので簡単に計算することができます。
この簡易キャッシュフローが大きいほど融資を受けやすくなります。
そのためには税引き後利益をしっかり出す必要があるので、税金もしっかり払わなければいけないということです。
税金を払いたくないといって利益を圧縮し過ぎると、自ら融資を受けにくい会社にしているのと同じことですの節税するときはそういった点も考慮するようにしましょう。
また簡易キャッシュフローがマイナスの場合には融資を受けるのがかなり厳しくなります。
簡易キャッシュフローがマイナスということは返済能力がないと判断されるので銀行も貸したくないということです。
まずは簡易キャッシュフローが少しでもプラスになるように業績を改善していきましょう。
債務償還年数
貸借対照表に記載されている借入金の合計額を先ほどの簡易キャッシュフローで除した数字が債務償還年数です。
現状の会社の儲け具合で銀行からの借入金を何年で返済することができるのかを判断する数値になります。
債務償還年数は短ければ短いほどいいです。
それだけ利益が出ていて返済能力があるということですから、銀行ももう少し融資してもいいかなという判断になります。
債務償還年数は10年未満が望ましいと言われています。
10年を超えている場合は借りすぎと判断される可能性が高く、融資も受けにくくなります。
自社の債務償還年数を確認してみましょう。
債務超過の有無
債務超過とは貸借対照表の資産から負債を引いた残額がマイナスの場合をいいます。
今ある資産をすべて売却しても借金などの負債を支払うことができない状況です。
財務的には非常に厳しい状況ですので融資を受けることも難しくなります。
債務超過を改善していくためには利益をしっかり出していくしかありません。
貸借対照表の資産から負債を差し引いた金額を「自己資本(純資産)」といいます。
資産に対する自己資本の比率を高めることが融資を受けやすい会社になる方法です。
自己資本は税金を支払った後の利益の積み重ねです。
自己資本を高めるためには利益を出して税金を払っていかなければなりません。
中小企業の社長にとっては節税か融資か悩ましい問題かもしれませんが、融資を受けやすい会社になるためには過度な節税にこだわらず、しっかりと税金を払うことが資金に困った時に銀行に助けてもらいやすくなるということです。
まとめ
「簡易キャッシュフロー」、「債務償還年数」、「債務超過」と3つの銀行が融資の判断をするためのポイントを確認しました。
自社の現状を確認して、融資の受けやすい財務体質に改善していきましょう。
P.Sトラキチ税理士に独り言
才木投手がめちゃくちゃ頑張ってますねー
エースの風格がでてきた感じです。
交流戦まであと少し。野手陣の奮起に期待です。