飲食店は現金商売というだけあって現金を扱う場面がたくさんあります。
現金をしっかり管理しておかないと、「経理の数字が合わない」、「税務調査で突っ込まれる」、「スタッフの不正」などのリスクが生じてしまいます。
飲食店の健全経営のために現金管理のポイントを確認していきましょう。
現金管理のルールを作ろう!
飲食店はお客様とのやり取りも現金が多いですし、仕入代金の支払いや経費の支払いも現金で支払うことが多いのではないでしょうか。
現金を取り扱う機会が多いと、「釣銭を間違えてしまった」、「レジを打ち間違えてしまった」、「スタッフが着服」したなどといったことが発生し、実際の現金と帳簿上の現金残高が合わないといった事態が起こってしまいます。
現金残高が合っていないと税務調査が入った時に、「不正をしているのではないか?」といった厳しい目で調査が行われてしまう可能性もあります。
また杜撰な現金管理をしているとスタッフの着服の可能性も高まります。
もちろん盗んだスタッフが悪いのですが、そういった盗んでもわからないだろうといった環境を作ってしまっていること自体が問題なのです。
そのためにも現金管理のルールを作って、ルールに基づいた現金管理をしていく必要があります。
レジに残す現金の金額を決めましょう!
まずはレジに残す現金の金額を決めましょう。
レジのお金は翌日のお釣りとして使うためにある程度必要になります。
その金額を例えば50,000円と決めて、その分だけレジに入れるようにしましょう。
開始の現金残高を把握することで、売上代金に間違いがないかを確認することが容易になります。
例えば釣銭50,000円でスタートして売上が150,000円だっとします。
レジには200,000円のお金があれば正解です。
最初の釣銭がいくらあったかわからなければ合わすこともできなくなってしまいます。
営業が終われば150,000円の売上代金を除いて、また翌日は50,000円からレジをスタートさせるといった感じです。
売上代金の管理は翌日入金がベスト!
売上代金の管理は、毎日の売上金額を営業終了後に銀行に入金するのがベストです。
営業時間が遅いところは翌日でもかまいません。
めんどくさいですが、毎日売上代金を銀行に入金していただきたいところです。
毎日の売上代金とは、レジのお金から釣銭を引いた金額のことです。
これを毎日入金すると、レジの売上金額と通帳に記載される金額が一致することになり帳簿の信頼性も確保できます。
どうしても毎日は銀行にいくのは難しいといった場合は、3日に一回や週一回など定期的に入金にいくようにしましょう。
その時も3日分なら3日分の売上代金と同額の金額を入金するようにしましょう。
めんどくさくなければ、1日売上代金ごとに入金するとなお良いかな。(めんどくさいけど(笑))
売上代金の銀行への入金は防犯対策の意味もありますのでぜひ取り組んでいただきたいです。
食材や経費は小口現金で管理しましょう!
食材や経費に使うお金は小口現金で管理しましょう。
小口現金とは、レジのお金とは別に用意するお金のことです。
食材や経費の支払いにレジのお金を使ってしまうと現金管理が複雑になってしまいます。
別管理することで、レジのお金は売上と釣銭、支払いは小口現金と明確になり管理も楽になります。
レジとは別に財布を持つイメージです。
イメージが湧きにくい場合は、実際に食材や経費専用の財布を作ってください。
で、その財布に預金口座から10万円を引き出してきます。
そこから食材や消耗品などの経費を支払うのです。
そして小口現金の残高が少なくなってきたら、また預金口座から引き出してきます。
引出す金額は元の金額(今回なら10万円)になるように引き出すことで経費精算がきっちりできているか確認することができます。
小口現金は出金につど会計ソフトに入力したり、出納帳をつけるなどこまめに管理するルール作りをしておきましょう。
現金取引をなくしてしまおう!
現金の管理方法についてお話してきましたが、やっぱり現金の管理はたいへんです。
現金の管理を一番楽にする方法は現金取引をやめてしまうことです。
つまり売上はキャッシュレス決済を導入しや支払いはクレジットカードで支払うのです。
全ての取引をクレジットカード払いにすることで、現金管理をなくすことができます。
クレジットカードで支払いをすればカード明細が出ますし、お金は預金口座から引き落としされるので支払いの証拠も残ります。
さらにクレジットカードデータは会計ソフトの連携も可能ですので、経理の効率化もできてメリットだらけです。
取引先によってはクレジットカード決済ができないとこもあると思いますが、現金管理を楽にするためにはクレジットカードでの支払いを増やしていきましょう。
また売上についてもキャッシュレス決済の導入です。
もちろん全てキャッシュレス決済にしてしますと現金の管理は楽になりますが、資金繰りの問題や手数料の問題が生じてきます。
その辺についても経営状況をみながら検討するようにしましょう。
まとめ
飲食店の現金管理の方法についてお話しました。
自社でしっかりルールを作って、定期的なチェックを行うようにしましょう。