おはようございます。
大阪の税理士、三松です。
今回は「決算書」についてのお話です。
決算書は誰が見ているのか?
毎年、決算期がくると決算書を作成します。
この決算書は一体誰が見ているのでしょうか?
上場企業などであれば、第一に株主となるかもしれませんが、同族会社など株主と経営者が同じ中小企業では、株主に向けて決算書を作るということは、あまりありません。
中小企業にとって、まず考えられるのが、税務署です。
税務署に対して、税務申告のために決算書を作成しています。
そして、税務職員が、提出された決算書や申告書をじっくりみて、怪しいところがないかチェックするのです。
そして、怪しいところがあれば、税務調査へ、なんてこともあります。
次に中小企業の決算書をみているのは、金融機関です。
融資を受けるためには、決算書が必要になります。
金融機関は、提出された決算書をチェックして、その会社に融資できるのか、返済できる力があるのかを読み取るのです。
税務署と金融機関、どちらにもいい顔をするのは難しい!
税務署に対して、提出する決算書は少しでも利益を下げたいといった経営者の考え方が働きます。
利益に対して税金が課税されるので、少しでも利益を下げて税金を安くしたいということです。
一方、金融機関に提出する決算書は少しでも利益を上げたいといった経営者の考え方が働きます。
利益をたくさん出して、業績の良い会社の方が融資を受けやすいからです。
このように、相反していることから、税務署には利益を下げた決算書で、金融機関には業績の良い決算書という具合にうまくはできません。
正しい決算書を作ることで、経営に活用する!
もうひとり、中小企業の決算書を見ている人、見なければならない人がいます。
それは経営者自身です!
経営者が決算書を見て、分析することで、経営に役立てることができます。
そのためには、正しい決算書を作ることを優先させなければなりません。
正しい決算書を作成して、会社の現状を知って、それを経営に活かすのです。
正しい決算書を作ることで、利益が大きくなり、多額の納税が必要になるかもしれません。
税金を払いたくない経営者は、嫌かもしれませんが、税務調査で否認されるリスクも減りますし、正しい申告をしていることで税務調査自体も少なくなる可能性もあります。
グレーなことをしていると、もともとの納税額より多い追徴課税を受ける可能性もありますからね。
また、しっかり利益を出していることで、融資を受けやすくなるといったメリットもあります。
経営に活かすために正しい申告書を作成しましょう。
まとめ
決算書を一番みているのは経営者でなければなりません。
税務署や金融機関のために決算書を作成するのではありません。
正しい決算書を作成して、それをしっかり見ることで、経営に活用していきましょう(^^)/