新型コロナウィルスの影響で景気が落ち込んでくると、中小企業が利益を出して成長していくことは非常に大変なことだと思います。
しかし、利益がでないのは景気のせいだと思って愚痴を言っているだけでは、企業の成長はありません。
どのような経済環境においても、しっかりと利益が出る仕組みを作っていかなければなりません。
今回は、利益アップのポイント一つである限界利益率を上げる方法について確認したいと思います。
売上単価のアップ
限界利益率を上げるための1つ目のポイントは、売上単価のアップです。
「そんなこと簡単にできないよー」といった社長様の声が聞こえてきそうです。
しかし、売上単価を上げることができれば必然と限界利益率も上がり高収益体質の会社に変化していきます。
売上単価を上げるためには2つ方法があります。
1つ目は、売上の値上げです。
単純に販売価格を上げるということです。
正直、これが一番難しいです。
単に値段を上げるだけでは、今まで売れていた商品であっても値段が上がったことによって売れなくなってしまう可能性があるからです。
しかし、限界利益率を上げて高収益体質な会社に変わるためには、これを乗り越えなければなりません。
販売価格を上げても売れるように、商品やサービスの価値を高めることを考えなければなりません。
飲食店などで言えば、美味しさだけでなく、サービス、見映え(インスタ映えする)など、その商品やサービスに値段以上の価値があるとお客様に思ってもらわなければなりません。
高付加価値を提供できるように、しっかりと商品やサービスについて考える必要があります。
2つ目は、値引きの減少です。
値引き販売をやめることで、売上単価が上がり限界利益率も上がります。
安易な値引きをしてしまっている取引先がないか確認するなど、もういちど値引き販売について見直してみましょう。
変動比率のダウン
限界利益率を上げるための2つ目のポイントは、変動比率のダウンです。
ポイントの1つ目は、売上単価を上げましょうという取組みでした。
今度は、原価を下げましょうという取組みです。
仕入単価や外注単価を見直して、原価を下げて変動比率を下げることができます。
外注で行っていたものを内製化して、外注費をカットし、変動比率を下げることができます。
不良品や飲食店であれば、ロス率を改善することで、変動比率を下げることができます。
中小企業の場合、大企業のように大量発注して仕入単価を下げるといったスケールメリットを活用することは難しく、変動比率を下げることは、販売価格を上げるより難しい取り組みかもしれません。
得意先との値下げ交渉、新規仕入先や外注先の開拓、自社の生産過程(効率化)の見直しなど、できることから取り組んで少しでも変動比率を下げれるようにしましょう。
販売ミックスの改善
限界利益率を上げるための3つ目のポイントは、販売ミックスの改善です。
「販売ミックスの改善?」というと何かなと思われる方も思われるかもしれませんが、売れる商品グループを改善していきましょうということです。
要は、限界利益率の高い商品グループの売上割合を向上させていきましょうということです。
限界利益率の高い商品が、たくさん売れれば会社全体の限界利益率も上がっていきます。
限界利益率の高い商品の販売に力を入れていくということです。
飲食店であれば、限界利益率の高いドリンクをたくさんお客様に飲んでいただくことで、限界利益率が上がります。
スタッフがカフェのランチでドリンクもおすすめするとか、居酒屋で「最後にもう一杯どうですか?」などお客様にお声がけすることで少しずつ改善していきます。
売上の構成が変わることで、限界利益率が改善されていきます。
まとめ
限界利益率を改善することで、利益アップに直結します。
1億円の売上がある会社が、限界利益率を1%改善するだけで100万円の利益アップにつながります。
たったの1%改善するだけです。
それならもっとできそうな気がしませんか?
限界利益率を改善して、儲かる仕組みを作っていきましょう。
そのためには自社の限界利益率を把握しなければなりません。
当事務所では、黒字化に向けた業績管理体制の構築を得意としておりますので、お気軽にご相談ください。