前回は限界利益(粗利)が経営において重要ですねというお話をさせていただきました。
今回は限界利益率について見ていきたいと思います。
限界利益率が上がれば、もちろん会社の業績が上がることは言うまでもありませんが、この限界利益率は少しの改善でも、ものすごい効果を発揮するのです。
限界利益率とは?
限界利益は 「売上 - 変動費」の計算式で算出できます。
この限界利益を売上で割れば限界利益率が算出されます。
例えば…
売上 500 変動費 300 限界利益 200
の場合は、200(限界利益)÷500(売上)=40%(限界利益率)となります。
限界利益率を高めると?
限界利益率の計算方法がご理解いただけたところで、次は限界利益率を高めるとどういった効果があるのか見ていきたいと思います。
例えば次のような会社があったとします。
売上 5,000万円 変動費 3,000万円 限界利益 2,000万円 固定費 3,000万円
限界利益率は40%です(限界利益 2,000万円 ÷ 売上5,000万円)
限界利益2,000万円に対して固定費が3,000万円なので1,000万円の赤字です。
限界利益率が同じ40%で計算すると損益をトントンにするためには、7,500万円の売上が必要です。
売上7,500万円 × 40%(限界利益率)=3,000万円(限界利益)=固定費3,000万円
「あと売上2,500万円も売上を上げるのは難しいよ~」と社長の声が聞こえてきそうです。
そんな時は限界利益率の改善に取り組んでみましょう。
例えば、限界利益率が40%から60%に改善されれば、同じ売上高でも損益はトントンになります。
売上5,000万円 × 60%(限界利益率)==3,000万円(限界利益)=固定費3,000万円
外注費の内製化や、材料費の見直しなど、限界利益率を改善する方法を検討します。
でも、限界利益率を20%も高めるのはとても難しいことだとは思いますが…
売上高と限界利益率の両方から業績改善に取り組む
限界利益率を高めれば、同じ売上高でも赤字が解消されるというのがおわかりいただけたかと思います。
ただ、いきなり限界利益率は20%も高めるとういうのは、売上高をあと2,500万円上げろと言ってるのと同じくらい難しいことだとは思います。
そんな時の裏ワザとして、
売上、限界利益率 固定費、3つすべてに改善策を打つのです!
売上を10%上げる、限界利益率を10%改善する、固定費を10%削減する。
この取り組みを行えばどうなるか…
売上 5,500万円 × 50%(限界利益率)=2,750万円 - 固定費 2,700万円 =50万円(利益)
なんと50万円の利益が出ました!
500万円の売上目標なら、達成できそうだし、限界利益率の改善も当初の20%の半分、固定費の削減はみんなで頑張るとして、何とか改善目標として達成できそうな感じはしないでしょうか?
余った利益は、会社に残すもよし、頑張った従業員さんに還元するもよしです!
売上だけ、限界利益率だけ、固定費だけと考えるのではなく、すべて項目において改善していくことで、効果が倍増するということです。
まとめ
限界利益率の改善は、非常に大きな効果をもたらします。
売上高が1億円の会社が限界利益率を1%改善すれば、100万円の利益が変わってきます。
社長がその気になって、5%くらい改善できるよとなれば500万円の利益が残ることになります。
限界利益率を意識するためには変動損益計算書の活用が不可欠です。
三松会計事務所では、変動損益計算書に基づく業績改善をサポートさせていただいています。
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