変動損益計算書の活用方法ー限界利益率を見る!

 

限界利益率を意識して経営されていますか?

 

変動損益計算書において売上から変動費(売上を上げるために直接かかった費用)を差し引いた利益が限界利益です。

ざっくり粗利と思っていただいてもかまいません(微妙に違いますが…)

 

限界利益がわかれば、限界利益率も算出されます。

限界利益率とは、限界利益が売上高に占める割合(限界利益 ÷ 売上高)のことです。

 

売上から得られる「儲け」の割合です。

経営者にとっては売上高とともに、最も注視しなければならない重要な指標になります。

変動損益計算書において限界利益率について、どのような点を見ていくべきなのか解説いたします。

 

前年と比べる

売上と同じくまずは前年の限界利益率と比較してみましょう。

限界利益率が高くなったのか、それとも限界利益率が低くなったのかを確認します。

 

そして、その原因を追究します。

限界利益率が高くなっている場合であれば、商品単価をアップさせたのか、仕入れ値を下げて原価を抑えることができたのか、限界利益率の良い商品の販売が増加したのかなど、様々な要因が考えられます。

 

逆に限界利益率が下がっている場合も、値下げ販売をしたのか、仕入原価が上がったのか、限界利益率が低い商品ばかり販売しているといったように、こちらも様々な要因が考えられます。

どの要因に当てはまるのか分析してみましょう。

 

限界利益率が下がっていた場合、次に考えるのが改善するための対策です。

前年より限界利益率を改善するために、できることはないか自社で検討してみましょう。

 

限界利益率を上げるためには、次のような対策が考えられます。

 

①売上単価を上げる。

値上げや値引きを止めることで、限界利益率が改善されます。

ただ値上げをしただけでは、商品自体が売れなくなってしまう可能性があるので、商品の付加価値を高めるためにはどうすれば良いかとういこうとも考えていかなければなりません。

 

②変動比率を下げる

仕入単価、外注単価の引き下げ交渉や材料使用量の削減、外注をやめて内製化するなどの対策が考えられます。

売上を伸ばすことが難しいのであれば、売上に対する経費を下げて、限界利益率を改善する方法です。

 

③商品構成を見直す

限界利益率の高い商品の販売を強化して、全体の限界利益率を高めていく方法です。

 

限界利益率にアップに貢献している部門(商品)を確かめる

売上のアップが必ずしもそのまま限界利益率の改善につながるわけではわりません。

 

例えば、限界利益率の低い商品ばかりが売れていれば、かえって、会社全体の限界利益率が下がってしまう可能性があるからです。

そうならいないための対策として活用されるのが、部門別業績管理です。

 

製品や商品ごとの部門別業績管理を行い、製品や商品ごとの売上高と限界利益率を把握する必要があります。

限界利益率の高い製品や商品、限界利益率の高い部門の販売を強化し、会社全体の限界利益率を高めるためにも部門ごとの限界利益を把握していきましょう。

 

他の企業と比べる

限界利益率は、業種や規模によって異なります。

同業種や同規模の他社平均の限界利益率と自社の限界利益率とを比較してみましょう。

自社の限界利益率は他社よりいいのか?、悪ければ、どこを改善すれば同じような水準に上がるのかを検討していきましょう。

 

まとめ

限界利益率が上がれば、同じ売上でもそれ以上の利益をもたらしてくれます。

限界利益率を1%改善するだけでも、大きく利益が変わってくる会社もあります。

限界利益率を意識して経営を行っていけば、結果として黒字体質の強い会社に近づいていくと思います。

変動損益計算書を活用して限界利益率を把握し、会社の業績をアップさせていきましょう。

 

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