おはようございます。
茨木市の税理士、三松です。
いよいよ、本日より個人の確定申告の受付が始まります。
今回は、確定申告における申告漏れの注意点についてお話したいと思います。
確定申告の注意点
個人事業者の方であれば、毎年確定申告しなければならないので確定申告に慣れている方も多いと思います。
会社経営者や従業人などの給与所得者の方は年末調整で税金が確定するため確定申告は関係ないと思われている方も多いかと思います。
しかし、会社員であっても確定申告が必要な場合があります。
そんな時に申告漏れにならないために、どういった場合に確定申告が必要か見ていきたいと思います。
一つは、確定申告によって税金を還付してもらう場合です。
医療費控除やふるさと納税などを受けるために確定申告することによって税金が返ってきます。
もちろん、年の途中で退職した場合に年末調整を受けていない場合は確定申告することで税金が返ってくる可能性があります。
収入が給料だけの会社員は、納め過ぎていた税金を返してもらうという手続きで確定申告をすることが多いかと思います。
もう一つは、給料以外に別の収入があった場合です。
株式投資を行っている場合や生命保険の満期保険金などをもらった場合など、給料以外に何かしらの収入があった場合に確定申告が必要となる場合があります。
うっかりしていると税務署から申告漏れを指摘されて、思わぬ税金を取られる可能性があります。
「会社員やし、だまっていてもバレないだろう」と思っているあなた、それは危険です!
税務署の情報収集能力をなめてはいけません。
いずれバレるのですから、きっちりと申告しておくべきです。
こんな収入の申告漏れはありませんか?
会社員の方でも給料以外に次のような収入があった場合には、確定申告が必要となる場合があります。
うっかり申告漏れとならないように注意しましょう。
役員と会社との取引から生じる個人収入
役員は会社から支給される給料が年間2,000万円以下の場合は、年末調整を行えば基本的には確定申告をする必要はありません。
しかし同族会社の役員がその同族会社から給料の他に、次のような収入を受取っている場合は、それが少額であっても確定申告が必要になります。
・会社に賃貸している不動産の賃貸料
・会社に対する貸付金の利息収入
役員の自宅を貸し付けて会社の事務所として使用している場合や、役員個人の土地を会社に貸し付けてそれを会社が建物を建てたりして利用している場合に、会社から家賃を受取っている場合は、不動産所得として確定申告が必要になります。
また、役員から会社への貸付金について利息を受取っている場合には、雑所得として確定申告が必要になります。
この場合、給与所得以外の雑所得が20万円以下の場合の確定申告不要の規程は適用されませんのでご注意ください。
生命保険等の満期保険の収入
保険会社から満期保険金や解約返戻金などを受取った場合には、一時所得として確定申告が必要な場合があります。
一時所得の計算式は
(満期保険金等 - 支払った保険料の総額 - 50万円)×1/2
となります。
つまり、受取った保険金や解約返戻金が支払った保険料を下回っている場合には所得税はかかりませんので確定申告する必要はありません。
また、保険金等が支払った保険料を上回っている場合でも、上回った金額(得をした部分)が50万円以下なら同じく所得税はかかりませんので、確定申告する必要はありません。
満期の保険金や解約返戻金を受取った場合、保険会社から通知が来るはずです。
そこに受取る保険金と支払った保険料の金額が記載されていますので、確定申告が必要かどうかしっかり確認しましょう。
また、競馬の払戻金もこの一時所得になり、50万円を超えると確定申告が必要になります。
ギャンブルで儲けた人は注意しておきましょう。
投資にかかる収入
株式投資やFX取引などの収益については、確定申告が必要な場合があります。
上場株式の譲渡や配当による収益は、「源泉徴収なしの特定口座」における譲渡による収入が20万円を超える場合は確定申告が必要になります。
また、特定口座で「源泉徴収あり」を選択している場合は確定申告は不要になりますが、譲渡損失が出ていて翌年に繰り越したい場合は確定申告が必要になります。
配当についても、配当控除を受けたい場合は確定申告が必要になります。
FX取引や仮想通貨の取引による損益は、確定申告が必要な場合がありますので注意が必要です。
資産の譲渡による収入
不動産や金などの資産を売却した場合にも原則として確定申告が必要です。
マイホームを売却して3,000万円の特別控除の特例や譲渡損失を他の所得と通算する特例などを受ける場合には、確定申告が必要となりますので、お近くの税務署か税理士さんに相談してみましょう。
まとめ
会社員の場合、年末調整で税金の確定が済んでしまうため、なかなか確定申告することはありません。
しかし、臨時的な収入や株式や不動産を投資による収入があった場合は、確定申告が必要となりますので注意しましょう。
昨年(2019年)の収入を見直してみるのも、確定申告の漏れをなくすためにいいかもしれませんね。