個人事業主への給料の支払い方!

会社員の方が独立して個人事業主になることは素晴らしい第一歩だと思います。

勇気ある決断をされて新たに踏み出されてわけですが、一方で不安も多いかと思います。

その一つが、「給料」です。

今までは会社から給料をもらって生活費に充てていたと思いますが、個人事業主になるとどうなるのでしょうか?

今回は、個人事業主の給料について解説したいと思います。

 

個人事業主へ給料を支払うことはできない!

結論から申し上げますと、個人事業主に給料を支払うことはできません。

 

所得税においては、個人事業主に対する給料という概念がないからです。

売上をしっかり上げて、そこから経費を支払って残ったお金、つまり利益が個人事業主の取り分=「給料」という考え方になっているからです。

 

もう少しわかりやすく言うと、個人事業主に給料を支払っても経費にならないということです。

会社の場合、社長であっても給料を支払うと会社の経費になりますが、個人事業の場合は事業主に給料を支払っても経費にはなりません。

 

例えば、事業用として使用している通帳からプライベートの通帳に給料という名目でお金を移動させても、それは単なる資金移動に過ぎず、事業の利益を計算するときには経費として利益からマイナスできないということです。

 

個人事業主は給料を取れないと言われているのは、経費にすることができないという意味です。

 

生活費はどうしたらいいのか?

「給料を支払うことができないとなると生活費はどうしらいいの?」と思われる方も多いかもしれませんがご安心ください。

 

生活費に必要なお金を預金口座から引き出すことはオッケーです!

 

個人事業主へ給料を支払うことができないというのは、あくまでも経費にできないとう意味です。

事業用の口座からプライベートの口座にお金を移すことは問題ありません。

そういう意味で個人事業主への給料の支払い方は事業用の口座からプライベートの口座に資金移動することです。

 

この資金移動は自由にすることができます。

給料として毎月定額で30万円と決めて引き出すこともできますし、必要なときに必要な金額を引き出すこともできます。

「今日は5万円」、「今日は10万円」みたいに引き出しても怒られることはありません。

 

ただし、注意していただきたいのは何度も繰り返しになりますが個人事業主への給料の支払いは経費にならないということです。

事業用の口座からプライベートの口座にお金を移動させるのは自由ですが、所得税を計算する上での利益は残っているわけです。

税金は利益に対して課税されますので、お金がなくても税金はやってきます。

生活費のために引き出して使ってしまったとなると、税金の支払いが苦しくなってしまいますので、しっかりと考えて生活費のお金を引き出すようにしましょう。

 

そういったことから、毎月定額で引き出す方が管理上もいいのではないかと思います。

 

個人事業主への給料の勘定科目

事業用の口座からプライベートの口座にお金を動かす場合には帳簿に記録を残す必要が出てきます。

経費にはなりませんが、他の経費に支払ったと同じように経理する必要があるということです。

 

では、個人事業主へ給料(生活費)を支払った場合の勘定科目はどの科目を使うべきなのでしょうか?

 

個人業主への給料(生活費)の支払いは「事業主貸」の勘定科目を使います。

 

例えば、生活費を10万円引き出しましたという場合は次の仕訳になります。

(借方)事業主貸 10万円 / (貸方)普通預金 10万円

 

事業主貸は個人事業特有の勘定科目で、法人では使用しません。

個人事業でプライベートな支出があった場合は、事業主貸の勘定科目を使用して経理することになります。

 

まとめ

個人事業主への給料を支払うことはできません。

しかし、生活費としてお金を引き出すことは自由にできます。

生活費として引き出した分は経費にならないので、税金のことも考えて計画的に引き出すようにしましょう。

 

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